たまにはこういうのもいいかとおもいまして




「降谷さん、そろそろ上がってください。そんな体じゃ仕事できませんよ。」

そう風見に言われたのは本庁に出勤してから実に五日目のことだった。溜まりに溜まって自分の机に置かれていた書類もあとわずか。確かにここ2日の記憶が無いし仮眠してもすぐ2時間程度で起きてしまうので全然疲れが取れていない。


最近はポアロでの仕事、組織での仕事、公安の仕事と忙しいので全然家にも帰れてないなかった。

ー蒼空に会いたい。ふとそう思った。


でもそうは思っても今の時刻は深夜の3時。当然だろうが彼女は夢の世界へと旅立っている。そう考えながら覚束無い足取りで「降谷零」の方の家へ帰ると、ふとドアの鍵が開いているのが分かった。蒼空がいるのだろうか。そう淡い期待を抱きながらドアを開けると慌ただしくリビングからドタドタと足音を立ててこっちへ駆ける蒼空が居た。

「どうしてここにいるんだ？」


「ーおかえりなさい。零さん。えっと…午後に風見さんから今日零さんを帰すから出来れば家で待ってあげてほしいって言われたから待ってたんだ〜！」



そういう彼女の目の下には隈がある。彼女は夜更かしが苦手なのに自分の帰りを1人でずっと待っていたのだろう。「ごめんなこんなに隈ができるまで待たせて。」というと彼女はこういってきたのである。



「私も寂しかったんです。零さんに会えなくて。あといつも私零さんにおかえりなさいなんて言えなかったからたまにはこうやってお出迎えするのもいいかとおもいまして！」


そう微笑んだ彼女に思わず抱き締めてしまう。

「零さーんくるしいでーす」


「そうやって可愛いこという蒼空が悪い」


「もーご飯冷めちゃいますよ〜！早く上がって食べましょう〜！」


「ん、でももう少しこのままでいさせてくれ」



そう言うと彼女は「しょーがないですねー！」なんていって抱き締め直してきたのであった。



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(そういえばなんで風見の連絡先知ってるんだ？)

(あ、いや偶然会って……)

(嘘つくの下手だなあ)






(※蒼空ちゃんが風見さんの連絡先をなんで知っているかというとコナン君経由で風見さんから蒼空ちゃんの連絡先がほしいときて、交換したっていう裏設定があります笑)