単語で30題
おなまえへんかん
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「はぁ?おまえ夏祭り行かへんのか?」
「えぇ〜なんでなん!一緒に蒼空も行こや〜!私と行くのいやなん?」
そんなうるっとした顔で言わないでください。
あの店長に休み希望出してたのにバイト入れられたんです。
事の発端は私が勤めているバイト先の店長に7月のシフト表の休み届けを提出してほしいと言われたところから始まる。7月の中旬ころ、私たちが住む街ではちょっとした夏祭りが開かれる。いつもそこに平次と和葉の3人で行っていたので今回もその日に休み希望を入れ、休みのはずだったのだが…
「彼方さんすまん、明後日入れへんかな?」そう店長が言ってきたのは学校終わりにバイトをしていた時だった。店長が言うには1人、パートの人の息子が夏風邪を引いたらしく、看病をしなければいけないんだという話だ。本当は夏祭り行きたいし、大好きな水飴も食べたいけれど店長には良くしてもらってるし、言われたら断れない性格なので「いいですよ」なんて言ってしまった。
「うん、ごめんなあ…バイト入ったから」
「ええ、休みやって言うとったやん!」
「またお前のことやから断れへんかったんやろ」
「…あたっとるけど仕方ないやん…?人手不足やし、まあ、わたしおらんでも2人で楽しんできてな!あ、言わんでも楽しんでくるか!」
「本当は蒼空もおって欲しかったけど…楽しんでくるわ…」
「そんな沈んだ顔せんといてや和葉…」
「そんでお前バイト終わるん何時や?」
「うーん10時ぐらいかな…平次どしたんそんなん聞いて」
「…何もないけど?まあ二人で楽しんでくるさかい蒼空バイト頑張ってな〜」
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「彼方さんほんま助かったわ!ありがとう!明日バイト入れとったけど今日出てくれたで休みにしたからゆっくり休んでな!」
「ありがとうございます!お疲れ様でした!」
「お疲れ〜!」
普段通りにバイトが終わってほっとしていると思い浮かぶのは夏祭りのことばかり。夏祭り自体はもう9時で終わっているので会場に行ったってもう夜店はならんでいない。
「はあ…水飴ぐらい食べたかったわ…」
そんな誰にも聞かれないと思い独り言をこぼした時後から聞き覚えのある声がした。
「えらいでっかい独り言やな…」
「え…?平次!?なんでここおるん…」
「バイトそろそろ終わって歩いとるんかなって思って来ただけやけど」
「そうなんや…偶然やな…なあ…その手に持っとるん水飴ちゃう?」
「そやけど」
「欲しい!!私のために買ってきてくれたんか!!」
「寂しい思いしとるんとちゃうかって思ってな〜まあ独り言いうぐらいやでな」
「それでも嬉しいわ!平次ありがとう!」
「おう…」
そういった彼の頬は月の光に照らされてなんだかほんのりとピンク色に染まっている気がした。
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(来年は3人で行こな!!)
(お前がまた来年バイト入れやんかったらな)
(今回はしゃーないやろ!?)
(どやろなあ?)