ー今日、蒼空んちに行きたいんだけどいいか。



そう久しぶりに見覚えのあるメールアドレスから来て、心踊ったのは言うまでもない。まぁ、言うのが急すぎるのだが。このメールアドレスに何回かメールを送ったことはあるが、全て返ってきたことはない。きっと彼なりの守り方なのだろうと私は思う。彼を助けて、アメリカへ彼が渡ってからかれこれ4年は過ぎたことだろう。私の家に来るということはもう日本に戻ってくるということなのだろうか。私が彼を助けたのは私の散歩ルートを箒で飛行していると彼が自分の心臓を銃口を向け、自殺しようとしていたのがはじまりだったのだ。

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いつもどおりの日常でいつも通りの散歩ルートを箒で人に見つからないように飛行しているだけだった。とあるエリアに行くとどこからか男同士の喧嘩らしき声が聞こえてきたのだ。そろそろとそのビルの屋上のところに箒を並ばせ、その会話を私は聞くことにした。


「俺を撃つ前に話を聞く気はないか。」


「拳銃を奪ったのはこうするためだ！」


チャキッと音がしてその男達の喧嘩を見てみると壁際の男が1人自分の胸に銃を突きつけているではないか。その長髪の男はその男の自殺を食い止めるため、銃のシリンダー部分を掴み、引き金を引くのを阻止しているように見えた。


「ーお前はここで死ぬべき男ではない。」

そう言ったのだ。見ている私も、自殺しようとする男も驚き、彼はFBI捜査官赤井秀一という名前で自分もノックであることを男に知らせる。ーということは自殺しようとしている人はもうすでに誰かにノックということがバレて、自殺しようとしているところなのだと私は思ったのだ。そして赤井は自分のコネでその男を逃せられることが出来ると述べたのだ。その話で落ち着きを取り戻した男だったのだが、そこへ階段を駆け上がる音が近づいてくる。自殺しようとしている男がヒュッと息を吸いこんだのがわかった。


ーあのままでは、あの人は自殺してしまう。そう思った私は素早く魔法を唱えて彼を眠らせた。

「…おいスコッチ、スコッチ！！！」


「彼は眠っているだけですよ」


とどこからとなく声を発し彼の元に降り立つと彼は見たことがないような驚いた顔でこっちを見ていた。次の瞬間、「ー何者だ。コイツに何をした。」と言って私の頭に銃を突きつける。


「話を途中から聞いてて、貴方が足音に気を取られてるすきに彼が自殺しそうだったから魔法で眠らせた？って言えばいいですか？」


「は？魔法？そんなもの存在するはずが…」


「うーんじゃあ今から手からなにかを出して見せますね」


彼が信じてなかったので手から火を水を光を順番に出してみる。そうすると彼は歓声の声をあげた。


「信じ難いがどうやら本物のようだな…」


「信じてもらえて何よりです」


「ー俺の正体は聞いていたんだろう？」


「うん、しっかり聞いてました」


「じゃあ君からも正体を打ち明けるべきじゃないかと思ってね」


「対価っていうものですね……」


「そうだな」


「彼方蒼空…年齢は秘密、あなたになら信用できる気がするから言っとくけど…魔法使いです」


「ホォー？魔法使いか…そんな簡単に俺に打ち明けてもいいのか」


「ええ、仲間を大切にする人ならね、でも私が魔法使いって他言したらだめですよ」


「ああ、それはわかっているさ」


「私は本来表舞台に出てはいけない存在。でも私は人が死ぬ場面なんて見たくないから今回は特別ですよ…？」


「そうか…なら俺達と君の秘密にしよう」


「俺たち？？」


「ああ」

そう話しているうちにどんどん足音が近づき、終いにはこっちへと向かってきた。


「…スコッチ…！！！ライ！スコッチは無事なんですか！！」


そういった彼はこの眠る魔法をかけられている彼の仲間と思える。


「ああ、無事さ、この女の子のおかげでね」


「は？女の子…？？」


「どーも」


ーそして赤井さんがこれまでの経緯を話す。

「本当にコイツを助けてくれてありがとうたすかったよ…俺は安室透って言います、よろしくね」


「いえ…彼方蒼空です…よろしくお願いします…でもどうするんですか？正体がバレてるんですよね？」



「ああ、アメリカへ証人保護プログラムを受ければ問題ないんだが…遺体偽造するしかないな、」


「うーんなら、私が作りましょうか」


「「は？」」


「ま、見ててください ーーーーーーーー。はいできました」



「「おぉ…」」


二人が歓声の声を漏らす。



「まあ、これで完成したし、彼が目が覚めるまで待っていましょう…」


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「んん……」


「おっ、目が覚めたみたいですね」


「スコッチ……よかった……」


「え…バーボン？俺…死んだはずじゃ……」


「そこのお嬢さんが君の命を救ってくれたんだ」


「ライもいるのか…？お嬢さんって…？」


「どうも、貴方の命を助けましたお嬢さんです」


「えぇ…」


「話を飲み込めていないようで申し訳ないがお前にはアメリカへ渡って証人保護プログラムを受けてもらう。ある程度準備が終わるまで蒼空と過ごしてもらうぞ」


「蒼空って…お嬢さんか！？」


「ええ、そうですが？」


「逮捕されないのか…こんなやつと一緒に暮らすなんて…」


「大丈夫ですあなたより何千年も生きてますから」


「…は？！」

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ーピンボーンと家のベルが鳴り、ドアを開けると久しぶりに見た顔がいた。


「おう！蒼空久しぶりだな！」


「久しぶりです…！もうちょっと早く言ってくれたらご馳走用意したんですけど…」


「ごちそうなんていらねえよ！お前の顔見られただけで充分だ！」


「…そうですか、で、なんで帰ってきたんですか？」


「…またお前と一緒に暮らすから…？」


「え、そんなんでいいんですか？」


「ライが週一でここに来てくれるっていう条件付きで同意してもらった」


「まず、私への許可は？」


「っえ？許してくれるだろ？」


「許しますが！！！」


「なら問題ないだろ？これからよろしくな！蒼空」


「っ…もう！あ、言い忘れてました、おかえりなさい…景光さん」


「ただいま…！」


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(今日のご飯なに？)


(ハンバーグです)


(よっしゃ！買い物行くか！)


(っえ、本当にこんなので大丈夫なんですか？)


(ちゃんと変装するから大丈夫だって！)


(さいですか…)