🏹🍎SSまとめ
きっかけは確か、サジータが故障していた体重計を貰って直したとかなんとか、そんな話題だったはずだ。
興味本位でそれに乗ったりんごは、数字を見るなりみるみる顔色を変え、
「太った!!!!!」
「え?」
キッチンで夕飯の支度をしていたサジータは、脱衣所から飛び出してきたりんごに、きょとんとした視線を向ける。
「太ったんだけど!?」
「なんだなんだ、どうした」
「誰かさんの料理のせいで太ったんだけど!!!」
……聞けば、思ったよりりんごの体重が増えていたらしい。
しかし、りんごとしては特に運動量に変化があった覚えはない。
変化があったとすれば、サジータの家でちょくちょくご飯を食べるようになったくらいだと言う。
つまりは。
「俺の作った飯が上手いから食べ過ぎると」
「はぁ~マジ……これでも一応気をつけてんのに……」
「そんな年頃のガールみたいな……」
何故かやたらと落ち込んでいるりんごだが、見た目はさほど変わったようには見えない。
むしろサジータとしては、偏った栄養で痩せ気味になっているよりは、ちゃんとした食事でしっかりとした体型になっていた方が良いと思うのだが。
「はぁ~あ、間違いなく全部サジータくんのせいで~す」
「元々細いんだからちゃんと食べろ」
「はぁ~?目のつけどころおかしいんじゃないの〜?成人男性として並程度です〜」
と、りんごは何かに気付いたように、サジータの後ろに回り込んでくる。
何をするつもりなのかと見守っていると、りんごはおもむろにサジータの肩やら腹やらを触り出した。
「……りんご、くすぐったいんだが……」
「……むかつく」
りんごはトドメと言わんばかりに膝裏を蹴り飛ばした。
「俺より筋肉がある……」
「え?そんなでもないぞ?」
「うるせえばーかばーか」
りんごはすっかり不貞腐れた様子で、部屋の隅にあるベッドに寝転がりに行ってしまった。
何を拗ねているんだと思いつつ、サジータは料理を再開する。
「今日は夕飯食べてかないのか?」
「……食べるけどぉ」
サジータの毛布を遠慮なく引っ被りながら、りんごはじろりとサジータを睨んだ。
「どうせまた美味いもん作るんだろ〜」
「唐揚げの予定だったんだが……」
そう言いつつ、サジータは首を傾げた。
「気にするほどか?」
「動きが鈍るんだよ!」
べ、とりんごは舌を出してみせる。
「俺が太ったせいで怪我したらサジータくんのせいだと思いま~す」
「…………」
「……本気にすんなよ」
思わず黙り込んでしまったサジータを見て、流石にバツが悪くなったのか、りんごはちょっと唇を尖らせた。
「俺がそんなヘマするわけないじゃ〜ん。大体、夜にちょっと運動すれば〜……」
「今日はワカメスープとモズクサラダにする……」
「だから本気にすんなって!!」
下準備の終わった鶏肉を仕舞いこもうとするサジータを、りんごは慌てて止めた。
*****
「ちなみに何でそんな体型気にしてるんだ」
「仕事でハニトラとかするし〜?サジータくんだって俺が華奢な方が嬉しくない~?」
「いや俺はりんごがどんな体型でも構わないが……」
「……あっそ」
興味本位でそれに乗ったりんごは、数字を見るなりみるみる顔色を変え、
「太った!!!!!」
「え?」
キッチンで夕飯の支度をしていたサジータは、脱衣所から飛び出してきたりんごに、きょとんとした視線を向ける。
「太ったんだけど!?」
「なんだなんだ、どうした」
「誰かさんの料理のせいで太ったんだけど!!!」
……聞けば、思ったよりりんごの体重が増えていたらしい。
しかし、りんごとしては特に運動量に変化があった覚えはない。
変化があったとすれば、サジータの家でちょくちょくご飯を食べるようになったくらいだと言う。
つまりは。
「俺の作った飯が上手いから食べ過ぎると」
「はぁ~マジ……これでも一応気をつけてんのに……」
「そんな年頃のガールみたいな……」
何故かやたらと落ち込んでいるりんごだが、見た目はさほど変わったようには見えない。
むしろサジータとしては、偏った栄養で痩せ気味になっているよりは、ちゃんとした食事でしっかりとした体型になっていた方が良いと思うのだが。
「はぁ~あ、間違いなく全部サジータくんのせいで~す」
「元々細いんだからちゃんと食べろ」
「はぁ~?目のつけどころおかしいんじゃないの〜?成人男性として並程度です〜」
と、りんごは何かに気付いたように、サジータの後ろに回り込んでくる。
何をするつもりなのかと見守っていると、りんごはおもむろにサジータの肩やら腹やらを触り出した。
「……りんご、くすぐったいんだが……」
「……むかつく」
りんごはトドメと言わんばかりに膝裏を蹴り飛ばした。
「俺より筋肉がある……」
「え?そんなでもないぞ?」
「うるせえばーかばーか」
りんごはすっかり不貞腐れた様子で、部屋の隅にあるベッドに寝転がりに行ってしまった。
何を拗ねているんだと思いつつ、サジータは料理を再開する。
「今日は夕飯食べてかないのか?」
「……食べるけどぉ」
サジータの毛布を遠慮なく引っ被りながら、りんごはじろりとサジータを睨んだ。
「どうせまた美味いもん作るんだろ〜」
「唐揚げの予定だったんだが……」
そう言いつつ、サジータは首を傾げた。
「気にするほどか?」
「動きが鈍るんだよ!」
べ、とりんごは舌を出してみせる。
「俺が太ったせいで怪我したらサジータくんのせいだと思いま~す」
「…………」
「……本気にすんなよ」
思わず黙り込んでしまったサジータを見て、流石にバツが悪くなったのか、りんごはちょっと唇を尖らせた。
「俺がそんなヘマするわけないじゃ〜ん。大体、夜にちょっと運動すれば〜……」
「今日はワカメスープとモズクサラダにする……」
「だから本気にすんなって!!」
下準備の終わった鶏肉を仕舞いこもうとするサジータを、りんごは慌てて止めた。
*****
「ちなみに何でそんな体型気にしてるんだ」
「仕事でハニトラとかするし〜?サジータくんだって俺が華奢な方が嬉しくない~?」
「いや俺はりんごがどんな体型でも構わないが……」
「……あっそ」