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【お礼文・フロイドver.】

目を開けるとそこは見慣れない廊下だった。どうやら床に倒れていた様で、体が少しだけ痛む。ここはどこだろう?とりあえず、誰かに話を聞いた方が良いだろう。そう思って、目の前にある部屋のドアを開けた。

中は誰かの私室になっている様で、机の上には本の山、床には凄い枚数の紙が散らばっている。紙に付着したインクの匂いがどことなく漂っている。

「ん〜?お前誰?何勝手に入って来てんの?」

ベッドで眠っていた翡翠色の青年が起き上がり、私を睨みつけた。彼の傍には未だ寝息を立てて眠る女性がいる。自分が迷子になっている事を必死で説明し、勝手に部屋に入った事を詫びると彼は睨むのを止めてくれた。

「へぇ〜エビちゃん先生と小エビちゃん以外にも他の世界の奴いたんだぁ」

納得した様子の彼は、ベッドの上で眠る女性の頬を起きない程度につついて遊んでいる。“エビちゃん先生と小エビちゃん”というのは人だと考えて良いだろうか。
ベッドに眠るお姫様も異世界人だったりするのかな。なんて考えていると青年が彼女を起こさぬようにそっと抱きしめた。

「フハッ面白い事言うね〜エビちゃん先生はお姫様じゃないよ。誰かに守られるほど、弱っちくねーし」

口に出していたようだ。青年は尚も続ける。

「でもさぁ、もうちょっとオレ達を頼ってくれても良いよねぇ。いつも限界まで仕事しちゃうんだもんなぁ」

薄らと彼女の目の下に隈があるのを見た。疲労困憊なのだろう。青年がつついても呻くだけで目は覚めない。青年が心配そうな顔で彼女を見つめる。

「エビちゃん先生はお仕事頑張っててえらーい。でも、今はちゃんと休んでね」

青年の大きな手が彼女の頭を優しく撫でる。

「とりあえず、学園長んとこ行こっかぁ〜先外出てて」

促されるまま私は部屋の外へ出る。

「おやすみぃ〜エビちゃん先生。良い夢見てね」

青年は彼女の額にキスを贈ると、私を案内するために部屋を後にした。

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