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「なぁいるま」
「なんだよ、らん」
「あー……」
「らん?」
「なんでもない」
「んだよ……何もねぇならいいけど」

すちに相談して数日後、俺の家で作業するらんといつも通りにリリックを書き連ねる俺、言わなきゃ変わんねぇよなぁ……見たいは見たいし、たまに……たまにぐらいは言ってもいい気がするんだよな……あんまり言うと調子に乗りそうだし、反応が予測できてつまらなくなっちまいそうだしな

「らん」
「んーなに?」
「好きだぞ」
「……ん?えっ!?」
「さて、俺は飲みもん取ってくる」
「え、まって!?いるま!!ちょっと!」

おーいい反応すんな、可愛いっていうのはまだわからんけど素直に言うのも悪くねぇかな……

「いるま!!」
「なに?」
「もう、1回!もう1回言って!」
「……好きだって言ったんだよ」
「っは……うぇ、ま」
「らん好きだぞ」
「あぇ……まって……」

こいつ、マジわかりやすっ素直に言ったらこんな反応いいのか……ならもっと言っとくべきだったか

「らん愛してる」
「っ!!んん!!なに、え!?いるま!?」
「なんだよ」
「いるまだよね!?」
「そうだけど?」
「な、ん、どうしたの?熱でもある!?」
「ないけど」
「ならなんで!!」
「なんでもよくね?」
「よくないよ!?もっと、普段からいってよ!」
「どーしよっかなぁ」
「いるまぁ!!?」

素直に言うのありだな、キャラじゃないのとか恥ずいとかあるが……好きなのはガチだし、あんまり伝えないのも良くない気がしてはいた……まぁこれからはちゃんと言うようにするかな

「ちょっといるま!聞いてるの!?」
「聞いてる、聞いてる」

ま、暫くは言わない方向性でいくかな


++

「ねぇみことちゃん」
「なに?」
「この前らんらんと何話したの?」
「え?」
「教えて……」

2人でソファでゆったりしとる最中に若干ふきげんそうにいきなりそう切り出すすち君、俺は分かりやすく嫉妬深いというか独占欲があるけど、すち君は2人っきりの時にしかそういう所を見せない、みんなの前では普通にしとるけど2人になった途端に「……みこちゃん、ちゃんと俺の隣いて」なんて拗ねながら言うとるから可愛ええ、出さんだけで独占欲強いんやから、こう……たまらんよね可愛くてしゃーない

「いるま君に好きって言ってもらえんからどうしたらいい?て聞かれただけよ」
「そっか、それならたぶんすぐ解決するかな」
「そうなん?」
「うん、いるまちゃんから似たようなこと相談されたからね」
「それ俺に言っていいん?」

それなんとなく何をすち君に相談したかわかる気がするんやけど

「いいの、内密にして言われたのは内容だけだし、相談されたのは内密してとは言われてないから」
「それ、屁理屈やない?」
「みこちゃんがいわなきゃバレないしいいの」
「なら、ええか?」
「いいの、好きだよみこと」
「もう!!すち君!」
「はははっ」
「俺も好きだよ」

にこにことしながら上機嫌に「知ってる」と返してくれるすち君の耳元に顔を寄せて

「すち、愛してる」
「っ、俺も愛してる……もう……急にはダメだって……」
「顔真っ赤や、かわいー」
「うるさい!」

やっぱ照れるすち君は可愛ええ、だからやめられんのよなぁ

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