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今日はちょっと時間ができたから息抜きにと俺とすち君で夏祭りにきた。いろんな売店が並ぶ中、俺は"あれ食べたい!"って言って買いに小走りで行こうとするのをすち君に腕を掴まれ止められる
「みこちゃんストップ慌てないお店は逃げないんだから」
「うぅごめん、はよ食べてみたかったんよ」
「もう、子供じゃないんだから」
「ええやん、こういう時くらい童心にかえっても」
「人に迷惑かけるのはダメです」
「はい……そうの通りです……」
「分かればよろしいっ!……ほら、買いに行くよ、食べてみたいんでしょ?」
「うん!」
真っ赤できらきらとしたりんご飴、避けてきたわけやないんだけど食べる機会を失っていた、というより小さい頃の俺はりんご飴より焼きそばとかポテト食べたかっただけなんやけども
お店でおばちゃんからりんご飴を受け取りしばらくは眺めて、いざ食べようと思ったんやけど……
「これ、どう食べるんが正解なん?」
「普通にガブッといっちゃえばいいよ」
「べたっとせぇへん?」
「するけど、夏祭りのりんご飴なんてそういうものだよ?」
「そっか?」
「そうだよ」
すち君はそういって自分のりんご飴にかじりついたのを見て俺もおそるおそるガブッとかじりついた
「ん、久しぶりに食べるとおいしい」
「……ん」
「どう?」
「甘くておいしい!」
「そっかよかったねぇ」
ニコニコと微笑みながら俺を見てるすち君は唇が赤くなっていた、りんご飴の影響やってわかってはいるんやけど
「……えっち」
「っ!?なにが?」
「唇真っ赤になっとる」
「あ、そういう?……ん?えっちではなくない?」
「ちゅーしたくなる」
「ここではダメだよ??」
「家に帰ったらええんや?」
俺の言葉に少しの無言のあと小さな声で
「………ぃぃょ……」
「えっ!?」
「もう言わないッ!」
慌ててすち君の方を向けば、そっぽを向いてるけど真っ赤になった唇よりも赤くなった頬が見えて
「すち君かわええ……」
「うーるさい!!俺、焼きそば食べたいから先に行くよ、早く来ないと置いてくから!」
「あー!まって!すち君ちょっと待ってぇ!!」
いつもより早歩きでスタスタと進んでしまうすち君を俺は慌てて追いかけた