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夏の手前、じめっとした日が続き雨が降ったり止んだりでちょっと面倒だけどたまに傘を忘れた振りして相合傘できるからちょっと好きな季節、恋人のみことちゃんと暗くなり始めた通学路を2人で歩いていた。
「なんか雨降ってきそうだねぇ」
「そやねぇ予報やと雨やっけ?」
「うーうん、曇りだったけど予報変わったかも?それかゲリラ豪雨?」
「降られる前に帰れるとええけど」
その言葉がフラグだったかのようにポツポツと突然の雨、雨粒が制服を濡らしはじめた
「みこちゃんがそんなこと言うから!降ってきたじゃん」
「うえぇ!俺のせい!?」
「みことずぶ濡れになる前に帰ろ」
「よし、走ってこ!」
「まだ距離あるじゃんどっか雨宿りしようよ」
「走った方がはやない?」
2人で話ながら早足で急いでいれば雨足がどんどん強くなって急いで帰るとかいう話じゃなくなってきて、俺はみことちゃんに手を引かれて走る
「うわぁ!結構降ってきたやん!!すち!そこのバス停はいろ!」
「みこちゃんまって!引っ張んなくても大丈夫だって!」
「早く早く!」
慌てて入ったバス停、2人で買い物行く時くらいにしか使わないバス停は2人で雨宿り出来るくらいの広さにベンチが1つ、俺はベンチが濡れることを気にせず座ってふぅっと息をつく
「もう、びしょ濡れ……明日土曜でよかった……教科書とか無事だといいなぁ」
「……」
「みこちゃん?」
「……すち、ちょっと濡れとるけどこれ羽織って」
「え?」
差し出されたカーディガンは鞄の中にしまっていたのか少し濡れてるものの無事のようで押し付けるように渡される
「ありがと、みこと大丈夫だよ?あと家帰るだけだし」
「ちゃうの!俺があかんの!!俺があかんから着て!」
「……えぇなんでぇ?」
「やって……透けとるから、シャツ濡れて透けとるんよ!すちがハレンチで俺が直視できへん!あかん!」
え……そんな理由?でも透けてるのはみこちゃんだって一緒だし状況大差なくないか?
「透けてるのはみことも」
「俺はええの!と に か く!着て!!ほんで雨弱くなったらすぐ帰ろ!!」
「えぇ……」
「今日俺ん家誰もおらんから、俺ん家きて!」
「っっ!!」
まってそういう事!?そんなに!!なにがそんなに見えるの!なんか恥ずかし
「すち!赤くならんといてぇ!!我慢出来んくなるから!」
「それは無理!!」