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「…俺なぁ…あの頃、すちくんのことな、好きやったんよ」
成人式が終わり、二次会で久しぶりにあったみことちゃんと話が弾んでせっかくだし二人でご飯行こうって入ったお店の個室で思い出したかのように言ってそのまま話を続けるみことちゃん
「初めてクラスであった時なぁすっごい格好いい子おるなぁって思って話しかけたんよ」
「そうだったんだぁ」
「そうなんよ、話したら思ったよりぽやんとしとるし、なんや可愛いなぁって」
「あの時は眠かったんだよ」
「そうなん?それからさー先生が好きな席でええって言うからそのまんま前後の席やったやん」
「そうだねぇよく授業中、みことちゃんのこと起こしたの覚えてるよ」
「う……寝るの大好きなんに授業中は寝ないんよねすち君」
授業が始まってすぐに船を漕ぐ背中にペンで突いて何度も起こした、中学の頃は俺もみことちゃんと一緒で授業中に眠くなる人だったんだけどね
「俺等ずっと一緒やったやん、一緒におるの楽しかったし落ち着いたからなんか気づいたら好きになっとったんよねぇ…でもすち君彼女つくるやん…」
「ふふっそうだねぇ」
誰のためだと…
「あの時はほんまショックやった…でもすち君って長続きせんかったよね……違う!別にすち君が悪いとかいうわけやなくて、なんか想像と違うな思っとっただけで」
「わかってるよ不思議だったんでしょ?」
「うん、気づいたら別れとって俺の隣おったやん…嬉しかったけど…」
「なんでだと思う?」
「うぇ?えっ…と…なんで…?」
本当に気づいてないんだなぁ俺の別れた理由って全部一緒なんだけどなぁ…俺が悪いんだけどさ彼女達も気づくの早いんだよね最初っから伝えてたのもあるのかな?
"俺、好きな人いるけどそれでも付き合う?"
"それでも付き合ってほしい"
そう言った子としか俺は付き合ってない、何とかして俺に好きになってもらおうって頑張ってくれるけど、どうしても超えれない俺の一番はずっと変わらない、だから諦めて別れるんだ
「本当にわからない?」
「…うん、わからへん…」
「俺はねぇ彼女達のこと別に好きじゃなかったんだよ」
「そうなん!?」
「今でも友達としては付き合いはあるけどね、今も昔も恋愛感情は一切なかった」
「じゃあ、なんで付き合ってたん…?」
「諦めたかったんだよ」
「なにを…?」
諦めよう、叶わないからと思っていた、でも諦めきれずに今日まで生活してきた、でもいいかな、これで駄目なら本気で諦めよう
「みことちゃん」
「な、なに?」
「俺はね、みことちゃんを諦めようって思ったんだよ」
「え……」
「俺は昔も今もみことちゃんのことが好きだよ、ねぇみことちゃんはどう?本当にあの頃だけ?今は俺のこと好きじゃない?」
言っちゃたなぁ…ふふ、でも顔真っ赤にさせて口パクパクさせて慌ててるから諦めなくて良さそうだ
「いまでもすきです……」
「よかった、ねぇみことちゃん俺と付き合ってよ」
「おれで…いいなら…」