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「みこと、お家デートしよっか」
「え!!する!!」

そう言って、私の家にきたみことは今、机に向かって唸ってる

「うぅ……すちちゃん」
「なぁに?」
「勉強疲れた…デートするんやなかったのぉ?」
「みこと自分の成績わかってる…?」
「……俺のこと馬鹿やって言うてる…?」
「わかってるじゃん、先生に私が言われるのよ…なんとかしてくれー!って、だから勉強しなさい」
「うぇ……やりたなぁい…」
「…ならご褒美あげるからもうちょっと頑張ろ?」

その言葉でピクリと反応するみこと…シャーペンを持ったまま私の方を向いて

「ご褒美ってなにしてくれるん?」

と何かをしてもらえることを前提に聞いてきた、これで物だったらどうしたんだろこの子

「何が良い?」
「好きなん言っていいん?」
「いいよ」
「キスしたい」

そんなのでいいの?デートしたいとか、コスプレしてほしいとか…えっちなことしたいとかじゃなくていいの…?これは気づいてないな?まぁ…みことらしいか…

「ちゃんと勉強頑張れたらしてあげる」
「よし!!ならがんばる!」

私の言葉を聞いてシャーペン持ってノートに真剣な様子で勉強を始めたみことちゃんを見て思う、本当に単純だよねぇ…

「みことちゃん、そこ違う」
「え、どこ!?」
「ここ、数式違うよ、この問題ならこっち」
「ほぁ……これ使うんや、ありがとう!」
「どういたしまして、あと1時間は頑張ろうね」
「うぅ…頑張る……」
「私も勉強しよ、わからないとこあったら聞いていいからね、ある程度なら教えられるから」
「すちちゃん…ほんまありがとう」

うるうるとした目でこっちを見るみことは、わんこみたいで可愛いらしい私より身長も高いし格好いいのにね
そんなみことの頭を撫でてから私も同じ机でノートと教科書を開いて勉強を始める、時々みことから「ここ、わからん…おしえて…」と泣きそうな声で言ってるのに答えつつ、1時間とちょっと

「すちちゃん…もうギブ…」
「ん、ちょうど1時間経ってるし終わろっか」
「やった!!終わり!!」
「はい、よく頑張りました」
「俺!ご褒美ほしいです!!」
「ん?あ、そっか…」
「忘れとる!?俺そのためにがんばったんに!」
「忘れてない、忘れてない」

正直に言うと勉強してる間に忘れてた
机ごし、みことの首元を掴んで引き寄せて頬にキスをする

ちゅっ
「あっ!」
「これでいいでしょ?」
「んん!!口がよかった!!」
「場所指定しなかったからね、次は指定しなよ」
「する!」
「じゃあまた勉強会しないとね?」
「あ……うぅ……します……」

パッと明るくなってすぐにズーンと暗くなる表情、本当に表情豊かで面白いこれだからちょっと悪戯したくなるのよね

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