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ある日の夕方、自分の家に彼女がいるってのに一人黙々と小説を読んでいる俺、いつもより多めの荷物を持った彼女は俺の家に来て早々私がいいって言うまで来たら駄目だからねと言い残しキッチンに消えていった、え…意味わからんと思いつつ別に怒らせる気もねぇし好きにさせとこうと思って俺は部屋に入り読みかけだった小説を手に取ったんだが、これいつまで待てばいいんだろうな?そろそろ読み終わっちまうんだけど…
トントンッ
「いーるま」
「開けていいぞーやっと終わったのか?」
「うん、終わった!今日は上手くいったから!はやく来て」
「はいはい、すぐ行くから急かすな」
扉を叩いて俺の言葉を待ってゆっくりと顔をのぞかせたなつみが急かすように手招きする、扉を開いた時にいい香りがして良く見れば赤のシンプルなエプロンをしてるから…料理してたのかコイツ…
「今日のは自信作!」
「おぉ!ハンバーグ?」
「そう!すちに教えてもらった」
「あぁアイツ料理上手いもんな、て俺の家道具なかっただろ」
「うん、前来た時に調べて全然なかったから必要なのは全部持ってきた、重かった…」
「よく持ってきたよ、言えば用意くらいするっての」
「驚かせたかったの!ほらっ冷めるから早く食べて」
だからあんな大荷物だったのか…早く早くと俺の手を掴んで机にまで引っ張るなつみについていき大人しく席に座る、俺を座らせたなつみはエプロンを外して対面に座る
「美味そう、だな」
「へへーんそうでしょ、会心の出来!」
「食べてもいいか?」
「食べて食べて」
「なら、いただきます」
箸でハンバーグを切ればジワッと出てくる肉汁、それを口に運んで咀嚼し嚥下する。不安そうにこちらを見て感想を待ってるであろうなつみに素直な感想を伝える
「美味いよ」
「ほっ…よかった、おかわりもあるから」
「まじで美味いな…あとでおかわりするわ」
「っ!うん!いっぱい食べて!」
パッと明るくなる表情、なんて言うかこういうとこ可愛いよなコイツ、俺は箸を置いてちょっと腰を浮かしてなつみの頭を撫でる
「え、え、なに?」
「なんにも」
「えぇ…なにそれ」
「ただ可愛いなって」
「へっ!」
「ご飯作ってくれてサンキューな」
「あ、え、え、どういたしまして…」
顔を真っ赤にさせて誤魔化すようにご飯を食べ初めるなつみ、照れ隠し下手かよ、まぁ今日は指摘しないでやろうか
腹減ってるし俺も箸を持って食べるのを再開する、一応料理出来るとは言ってたけどこれ一応じゃねぇじゃんこれはもう出来るじゃねぇか、めちゃくちゃ美味いし他の料理も食べてみてぇな
「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
「皿よこせ、俺が洗うから」
「え、いいよ私がやる」
「作ってもらっておいて後片付けまでさせられねぇよ、大人しく座ってろ」
「じゃあ…頼む…」
「任せとけ、あと次は豚の生姜焼き食いてぇ」
「え」
「じゃあ皿洗ってくるわ」
次のリクエストを言い俺はキッチンへ向かった、作ってくれるかはわからねぇけどちょっと楽しみだな