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久しぶりにすちと二人での買い物、浮かれつつもそれを表に出さないようにしつつデパートを歩く、目的のものを買い終わりまだ時間あるしってことでふらふらと宛もなく二人でお店を見ながら歩いていればぬいぐるみが視界に入る
「あ、すっちー、ちょっと待って」
「ん?いいよ気になるものでもあったー?」
「おう、ちょっち気になるから見てくる」
「うん、見ておいで」
すちに声をかけてからぬいぐるみの置いてあるところまで少し早足で近付く、これ可愛い…欲しいな…と思って値段を確認した
「たけっ」
無理だわ今手持ちそんなにねぇし、悔しいけど諦めっかぁ
「あれ?買わないの?」
「やめた、ちょっとイメージと違った」
「そうなの?」
「いいんだよ」
「ふーん…」
金が足りなくて諦めたなんて格好悪いこと言いたくねぇからイメージと違うなんて言って誤魔化す、なんか気づかれてそうだけど追求してこねぇならそれでいい
そこからはお互いの気になる店に入りご飯を食べて解散した
二人で買い物に出かけて数日後、俺の家にすちが大きな袋を持って遊びに来た
「お、いらっしゃい、それなんだ?」
「お邪魔します、これ?これはねぇいるまちゃんへプレゼント」
すちはそう言って部屋に入っていきその大きな袋を俺に手渡す。大きなわりに思ったより軽い、これ何入ってんだ?
「さんきゅ…開けていい?」
「いいよぉ」
袋を開き中を覗いて驚いた。
「え…これ、…ありがと…めっちゃ嬉しい」
「どういたしまして」
この前の買い物のときに諦めたぬいぐるみ、袋からぬいぐるみを取り出してぎゅっと抱きしめる
「ふふっやっぱり気に入ってたんだ」
「あ……」
イメージと違うって誤魔化してたんだった…
「気に入ってて…わりぃ…かよ…」
「んー?可愛いからいいと思う」
「俺に可愛いはねぇだろ」
「えぇ?ぬいぐるみ抱きしめてぬいぐるみに顔埋めてるとこ可愛いよ?」
「可愛くはねぇ…このぬいぐるみふかふかで気持ちいいんだよ」
「手触りいいよね、俺も小さいサイズだけど同じシリーズの買っちゃったんだよね」
ニコニコとしながら話すすち、そして気づいた、もしかしてこのぬいぐるみってすちとお揃いってことか?それはなんか嬉しいけど…はずい…
「顔赤いけど、大丈夫?」
「っ大丈夫!」
「ならいいんだけど、それにしても喜んでくれてよかったぁ」
頭に手をぽんっと置いて撫でながら笑うすちが無駄に格好良く見えんのは俺の惚れた欲目なんだろうな
「本当、無駄にイケメンだよな」
「それって褒めてるの?」
「さぁな」