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俺の家に泊まりに来たひまちゃんがDVDを片手に笑顔で俺に見せてきたそれ
「なぁすちこれ一緒に見ようぜ!」
「ぶっ!ちょっとひまちゃんそれ!」
「AV一緒に見ようぜ!」
「いきなりなんで!」
「俺もすちもさぁ、いるじゃん恋人」
「うん…いるけど…」
「俺的にこれは浮気ではないんだけど中にはいるやん?」
「いるって聞くね?でもひまちゃんの恋人こさめちゃんじゃん見ても文句言わないんじゃない?」
「言わんとは思う…ただ俺がなんとなく気にするだけ」
「なら見なきゃ…」
「それでも見たかったの!たまには豊満な胸が見たい!エロい尻が見てぇ!」
「えぇ……」
「すちはそういう時ねぇの!?」
ない、とは言い切れない…俺別に普通に女性好きだったしみことちゃんが特別だっただけで、男性と付き合ったのだってみことちゃんが初めてでそれまでは女性とお付き合いしてたし…正直に言えば俺もたまには見たい…奥底にしまってあるけど俺だってAVもってるし…見る機会がなくなっただけで…
「なぁ!どうなの!」
「……あり…ます…」
「だろ!俺一人だと罪悪感というか見っちゃた感あるけど2人ならいける気がすんだよ!抜き合いしようとかじゃねぇし、な、一緒に見よ?」
「なんでそんなに必死なの…」
「こうやって言うのが恥ずかしいからだよ!!」
「勢いで言ってただけなの…?……いいよ、見よ……俺も正直見たい」
「よしきた!」
腕を振り上げてガッツポーズをしたひまちゃんはいそいそとDVDをセッティングして再生ボタンを押した
再生ボタンを押しても数分後、ひまちゃんが再生を止めて俺を見て言った
「……なぁ…すち」
「なぁにひまちゃん…」
「俺、エロいなとは思うんだよ」
「うん」
「でもな興奮するというか俺もしてぇとか思わねぇ」
「なんかわかる…えっちだなとか綺麗だなとか思うんだけど、どっちかというと綺麗な曲線だなとか形いいな、で終わる…前はちゃんと反応したんだけどな……」
「あぁこの女優尻綺麗だよな」
「ね、腰からの流れが綺麗」
ひと呼吸置いて真剣な顔でひまちゃんが
「なぁ俺らあいつ等じゃなきゃ駄目になってね?」
「……え、こわっ」
「いや実際そうじゃね?それにな俺女側に共感、てかこれされてぇはあるんだよ、これやばくね?」
「あははっやばいね……ふふっ…俺もあったよ……あれみことちゃんにされたいってやつ…ははっ…これ完全に女にされてるよね…」
「やべぇな…」
二人して遠い目をして、己の恋人の恐ろしさを感じた
そして俺は停止されたAVを見つめてぼそりと言った
「…これどうしよ…」
「鑑賞会するか…?」
「あぁそれいいかもね…俺もう女性抱けないなぁ…みことちゃんと別れる気なんてないけどなんかショック…」
「わかるわぁ…なんかショックだよな…」
少しの悲しさを感じながら最初とは全く違う目的で再生ボタンを押して、ここの流れが綺麗だとかこの筋肉の付き方いいよね、と全くエロくもなんともない話をしながらAVを見終わり、俺はもう、AVは見ないと決めた、なんか悲しくなるから…