SS
「はぁ…」
「どうしたの?すち」
「なんで私、女なんだろ」
「……生理?」
「らん…私帰っていい?」
突然の隣でため息をついた幼馴染み、寝るのが大好きな彼女は生理の時、常にイライラしてる
「あー痛い、気持ち悪い、眠い…」
「薬は?」
「忘れた…」
私、持ってたっけなぁとポーチの中を漁って思い出した、この前飲んじゃったんだ
「ごめんね、私も持ってないや…補充し忘れたっぽい」
「うぅ…気持ちわるぅ…」
私はそんなに重くないけどすちは生理のたびに辛そうにしてる、眠いのに痛くて寝れないから不機嫌そうにしてることが多い、この状態のすちに告白した馬鹿がいたけど……まぁ可哀想だったね…
「あなた、誰?…ふーん恋愛興味ないし、私知らない人と付き合う気ないの、あとね私今とっても機嫌悪いのとっとと眼の前消えてくれる?早く帰りたいのよ」
てもう淡々と表情なく言ってて告白してきたやつ「ごめんなさい」って言って走り去ったよね、走り去る時キラッとなにか見えたからたぶん泣いてたんじゃないかなぁ?…ただその時のすち本当にイライラしてて、いつもは作り笑いだけどもう少し柔らかく断るんだけどねぇ…まぁ明らかにイライラしてたすちに声かけたのが馬鹿なんだけどさ
「すちちゃん!」
「うるさい!黙ってみこと!」
「うぇ…ごめんなさい…」
教室の外ですちを呼びにきたみことが怒られる、彼氏ですらこの対応なのにねぇ
「何か用事?」
「すちちゃん、薬持ってるかな?て思って」
「え?」
「この前薬切れたから買わないと言っとったけど、そん時に私よく買い忘れるんだよねぇって言っとったから大丈夫かな?って念のために薬持ってきとるんやけどいる?」
「……いる」
「よかった、これで合っとるよね?」
「うん、ありがと…」
「どういたしまして!」
なんて、なんて出来る子!なんですちの生理周期把握してるのかは聞かないことにして、彼女のために薬持ってるとかこの後輩、できる…
「アイツ…怖ぇな……」
「あ、いるま」
「流石に俺は把握してねぇぞ?様子見てればなんとなくわかるけどな…」
気づけば私の後ろにいて、ぽんっと頭に手を置いて話しかけてきたいるま、おそらくすちが不機嫌そうにしてるのに気づいて近づいて来なかったんだろうけど、まぁどうせみことが来て私が一人になったから近づいてきたんだろう、いるまこの時のすち苦手だからな
「ねぇ」
「なんだよ」
「みことってなんで知ってるんだろうね」
「……アプリあるだろ」
「周期予測のアプリのこと?」
「そう、あれいれてんだと」
「なる、ほど…ん、なるほど?でいいのか?」
すちはわかりやすいからそれを目安に日付入れてれば、確かにだいたい把握できる…けど
「……まぁ、すちがいいならいいかな?」
「みことちゃんそろそろ帰りな?予鈴なるよ」
「ほんまや!俺クラス戻るね!」
「うん、薬ありがとね」
「ええんよ、他にもなんかして欲しいことあったら言うてね、出来る限りするから!」
「…早く戻りな」
「うん!」
薬を飲んだからなのか若干、顔色が良くなったすちが手を振りみことを帰して、みことが見えなくなった頃にぼそっとつぶやいた
「……みことちゃんが彼氏でよかった」
「ふふっよかったね」
「…聞かなかったことにして」
「やーだ、ははっ照れるすち可愛いっ」
「もう…こんなことされたらさ、もっと好きになるじゃん…どうしてくれるの…」
「恋愛に興味なかったのにね」
「本当だよ…」