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目の前に出されたのはお茶漬け、笑ってはいるものの瞳の奥は一切笑ってないすち君…

「どうぞ」
「まだ怒っとるぅ…」
「怒ってないけど?」

ニコニコとした笑み、でも雰囲気!纏ってるオーラが怒っとる、イライラしとるって怒っとるってこれ…

「俺が悪かった、ほんまごめん」

そうやって謝るもののそれを無視して黙々とお茶漬けを食べるすち君、こんな時でも同じの食べるのは可愛いけどっ、あぁもう!どうしたらええの!何したら許してくれるのぉ!

どうしよう、どうしようって考えてれば、カチャンと箸を置いてすちが

「俺、もう無理って言ったよね?」
「言いました…」
「それを無視したのは?」
「俺です…」
「だよね、今ものすごく腰痛いし喉痛いんだけど」
「でも、それはすち君が」

すち君が可愛いから、「やだっもうむりぃ」って言いながらぎゅっとしてきて離してくれなかったのはすち君でもうそれはもっとしてほしいってことやと思うやん、実際その後めっちゃ気持ちよさそうに喘いどったし、あそこで止めるのは俺には無理やって、すち君可愛いすぎるもん

「俺が?なんだって?」
「俺が、悪かったです…」

笑顔なのにめっちゃ圧あるし怖いんやけど!普段怒らないから余計に怖い!

「…今度同じことしてあげようか、そしたら俺の気持ちわかるよね」
「うわぁ!ごめんってごめん!ごめんなさい!」
「ボトム側体験してみよっか?俺みことちゃんなら抱けるよ?安心してよ痛くはしないから、ね?」
「俺は!すち君を抱きたいの!」
「俺だってみこちゃんのこと抱きたいけど?俺だって男だからね?」
「うぅ」

そりゃそうだ、すち君だって男やもんな恋人を抱きたいって思うことはあるよなぁ、いつも俺ばっかやもんね……あーうーでも抱きたい…

「ふふっいいよ」
「え?」
「別に無理に抱こうとは思わないし、俺は基本抱かれたい人だし、もし抱かれたい気分になったら言ってしっかり可愛がってあげるから」
「……ないと、思うんやけど」
「そう?」
「やってすち君、美人やし、可愛いし色気あるしエロいし俺、常に抱きたいって思ってるんやけど」

思ってることを素直に言えば、すち君は顔に手を当てて

「んん゙、これだからみことちゃんは……!」
「……顔真っ赤やね」
「みこちゃんのせいでしょ!もう、本当にっ!次は、次やったら本当に抱くからね!」
「っうん!気をつける!今度からは聞くから」
「……えっ」
「え?…俺なんか変なこと言った?」
「……まぁいいか?いいのか?まぁ……いっか…?」
「ええの?」
「たぶん?」

なんか機嫌直してくれたしよかった!これからはちゃんと聞こっ!すち君に抱かれたくないわけじゃないけど、抱いてる時のすち君可愛いからないっぱい見たいんよね!




俺の馬鹿!あの時!ちゃんと聞いとけばよかった!何を聞くの?って聞けばよかった!俺が無理って言うたびに「ほんまに?もうダメ?」って低音で腰に響く声でギラついた目で言われるとは思わないじゃん!これじゃ止められない!本当にみことちゃんずるいっ!


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