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すちー、お前なんか怖い話ねぇの?

え、俺の怖い話?
そうだなぁ俺が高校生の時の話しなんだけど、仲のいい友達はいたんだけど帰る方向が一緒な友達いなくて何時も帰りは一人だったのね、その日は部活で遅くなって暗くなった道を歩いてたんだ、そしたら後ろでっカツカツて歩く音がしたんだ、気になって後ろを振り返っても誰もいないの、だから気の所為かなぁて思ってまた歩き出したんだけど、やっぱりするのね俺以外の足音が、流石に怖かったからその日は道を変えて途中でコンビニ寄って普段通らない道を選んでって遠廻りしてたら音は聞こえなくなってたからホッと安心して家に帰ったんだ、この時はねぇこれ、もしかしてストーカー?なんて思ってたんだ、でもね家に帰って部屋で寝ようとした時にトントンって扉を叩く音がしたの、最初は母さんかな?って思ったんだけどちょうどこの時、両親揃って旅行いってくる!て言っていないことを思い出したの、その瞬間寒気がしたよね

…扉、叩いてるの誰?

怖くて怖くて、でも俺の気の所為だったかもって思って

「…だれ?」

て聞いちゃったんだ、そしたら

、トン、トン、

て扉を叩く音がして怖くて「そこに、だれかいるの?」って言ったら、また静かな部屋に音が響いた

トン、、トントン

トン、トン、、

響く音が怖くて、俺以外誰もいない家ってのも相まって俺は混乱して、泣きそうになりながら叫ぶように「ねぇ!いるならいるって言ってよ!それとも母さん?帰ってきたの?悪戯とかやめてよ、返事してよ」って言えば扉の先から

「……ぁェちぁダヱ」

って女の人の声がしたんだ、母さんでも、知り合いの声でもない、聞いたことのない女性の声

我ながら馬鹿なことしたなって思うんだけど、そこで俺部屋の扉を開けたんだよね、何も考えず、そこに誰もいないってことを確認したくて、そしたら別にそこには女性はいなかったんだ、だから俺はまた扉をしめて、なにもなかったことにして布団にもぐったんだ、それでそのまま無理やり寝たんだ、ただその日以来同じようなことは起こってないしあれはなんだったのかなってたまに思い出して思うんだよね

「どう?怖い?」

「「「こえぇ!!」」」
「こわっ、こわ…え、なにそれ…こわくない?」
「怖すぎるんやけど…俺寝れんくなりそ…」

「俺、ホラー体験ってこれぐらいしかないからなぁ、それに俺は生きてる人間のが怖い、かな」

俺の部屋には鍵があった、でも俺は扉をあけてそのまま…
あの時俺は冷静になってあの言葉を聞けばよかったんだ

"あけちゃだめ"

女性の声はそう言ってたんだから、何も聞かなかったことにしてそのまま寝てしまえば何もなかったんだから



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