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"指切りげんまん嘘ついたら針千本のまーす指切った"

昔の約束、大事な君との約束

「おれが、お前をそこから助けるから!まってて!」
「…うん、まってるね。ずっとらんが来るまでずつーっとここでまってる」

それから数年経って俺は未だにここにいた、大きなベッドがひとつあるだけの寂しい部屋、何かあれば誰かが来て何かやって何処かにいく、必要があれば部屋から出ることもあるけど行く場所は決まって小さな部屋、魔法を使うためだけの部屋だ、そこで俺は何も考えずに上位の治癒魔法を使うだけ

「ねぇ、貴方本当ならここから出ていけるわよね?なんですぐに出なかったの?」

長い廊下で偶然すれ違った彼女はいきなり俺にそう言った。彼女は俺と同じようにここに閉じ込められてる子、お互いに関わることはあまりしないけど嫌いなわけじゃなくお互い興味がないだけ、この教会と呼ばれる檻の中に一緒にいる人、というだけ

「待ってるって約束したから」
「そう、約束なのね」
「うん、そういう君こそ出てかないの」
「私はいいのよ、さよならお幸せに」
「さよなら、君もね」

廊下で出会った彼女に別れを告げる、恐らく彼女にあったのは偶然ではない彼女は未来予知が出来るから、彼女がさよならと言うなら彼女と会うのはこれが最後だろう、それから数日後俺は教会の外にいたからやっぱり偶然ではなかったのだろう
彼女に別れを告げた日の夜、俺の部屋の扉が開き、聞き覚えはないけれどずーっと待っていた声

「おまたせ、ごめんね随分待たせちゃった」
「らん…」
「すち、約束通り助けに来たよ!海見に行こ!」
「うん、早くここから連れ出してよ」

そういってこちらに手を伸ばしてきたらんの手を握り部屋を飛び出して監視や警備を避けながら教会出て、らんと手を繋いで街を歩きながら昔を思い出す

「おれうみがみてみたい…」
「なら、おれが見せてやるよ!」
「やくそくね」
「うん、やくそく!」

最初の約束、それから沢山の約束をして最後の約束は"助けるから待ってて"そういう君に俺は助けなくていいからそばにいてなんて言えなくて、だから待った。助けに来なかったら呪ってやる、万回殴って針を千本を本当に飲ませると誓いながら

「らん、ずっとそばにいてね」
「当然!約束する」
「約束だよ」





簡易設定

すち君 聖属性の使い手、幼い頃教会に攫われてずっと利用されてる
らん君 教会に寄付をする貴族の息子、幼い頃すち君に出会って助けると決意し強くなる
教会 聖属性を持つ子供を誘拐して治癒魔法を使わせ金稼いでる悪い人達
彼女 すち君と同じく教会に閉じ込められてる。未来予知が可能でこの後教会がどうなるかわかっている

すち君が教会を出たあとは国に悪事がバレて潰された、誘拐された子供達は親元へ行場がない子は国経営の孤児院や治癒院へ行き、彼女は教会が潰れた後は国を出て旅する聖女と呼ばれるようになる。らん君とすち君は海の見える小さな港町で治癒院を経営する
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