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珍しく俺の家でまったりとした時間を過ごしていた、ソファに座りながらうとうとしてるすち君を見て可愛ええなぁ…て思いながら、ちょうど空になったコップを持って立ち上がろうとすれば服の裾をちょんっと引っ張られる
「…みことちゃん、どこいくの?」
「すち君?」
「いや、ひとりはいやって言った、ねぇどこ行くの…ここにいて」
涙を瞳に溜めて俺の服の裾を掴みこちらを見上げながらそう言う、窓の外ではポツポツと雨の降る音、あぁそっか今日は雨かぁ、いつも完璧な彼は雨の日不安定になる、俺はただ飲み物取りに行こうとしただけなんやけどな…
「大丈夫やって、ちょっと飲み物取りに行くだけやから」
「…本当?」
「本当、本当、心配なら一緒にいく?」
「いく…」
俺は先程まで座っていたソファから立ち上がり、今にも泣きそうなすち君に手を差し伸べる、ぎゅっといつもより力強く握りしめるすち君にちょっと可愛いなぁと思いつつも手を繋いで冷蔵庫にお茶を取りに行く
「すち君はいる?」
「みことちゃんのちょっとちょうだい」
「ええよ」
「ありがと…」
手を繋いだままソファに座り、膝をぽんぽんと叩く
「ちょっと硬いけど、枕にして寝ちゃいなよ」
「いいの?」
「ええよ、眠そうやし頭痛いんと違う?」
「うん…あたまいたい…」
「やろ?俺ここにおるしベッドで寝てきてもええけど一緒がええんやろ?」
俺のベッドは大きくないから二人で寝ると窮屈なんよね、ここも狭いけど仮眠程度ならここでも十分やと思うんだよね
「いっしょがいい…」
腰に抱きついて俺のお腹に顔を埋めるすち君
「それは、ちょっと恥ずかしいんやけど…?」
「みことちゃんの匂いする…あったかい…おやすみぃ…」
「寝ちゃった…」
くっついたまま寝てしまうすち君…ええけど、俺…恋人やよ?その位置で寝られてまうと理性試されてる気が…襲わへんけどさ…
すち君はすぅすぅと寝息をたてながらも俺から手が離れることはない、まぁいっかすち君が寝れるなら
数分後に起きたすち君は「うぅごめん…足痺れてない…?」と俺の心配をする、先程までの不安定さはなくなったから少し落ち着いたんだろう
「大丈夫だよ、すち君も大丈夫?」
「うん落ち着いた…ありがとね、みことちゃん」
そう言って笑ったすち君のこの顔が見れるならいくらでも俺の膝貸すのにな