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「妖狐の使い魔なんて珍しいな」
「そう?俺の村では普通だったんだけどな」
そう言って隣で大人しく座っている狐の頭を撫でる、目を細めて気持ちよさそうにしてる妖狐は珍しい5つの尾を持つ上位の妖狐、普通であれば学生である俺たちには懐かない、相性がいいか相当相手に気に入られてなければ使い魔契約なんてしてくれない
「俺の村ではみんな召喚獣は妖狐なんだ、昔々ね助けたんだって」
「恩返しってこと?」
「みたいだよ?だからそばにいてくれて助けてくれる。それに今こんなに懐いてくれてるのは昔からそばにいた子だからだよ」
「なるほどな、昔からそばにいたから契約してくれてるのか」
「うん、仲良いんだよ」
「まぁ、たしかにすちのそばから離れる気なさそうだもんなそいつ」
「気になる?」
「いんや、仲良さそうでいいじゃん、先生はなんか言うかもしれんけど、言われたら俺加勢するわ」
「ひまちゃんやさしー大丈夫なんか言われたら先生脅すから」
「あーこわっなんで本当お前学校なんて通ってんだよ、上位ランカーだろ」
「ギルドマスターが通えって言うから仕方なく?俺的にはひまちゃんみたいな親友できたし通って正解だなぁとは思うよ?」
「いきなりデレるな!」
「…理不尽じゃない?」
はぁすちは突然デレるから心臓がもたねぇ…それにさっきからあの妖狐に見られてるんだよな…あれ懐いてるんじゃなくて愛されてるんでね?
ひまちゃんと別れて自分の部屋に入れば後が光り背中にぬくもりを感じる
「すち君…俺達仲良いんじゃなくて愛し合ってるの間違いやと思うんやけど」
先程まで狐の姿をしていた彼が人形をとって抱きついてきて拗ねた声でそんなことを言った。
「流石に使い魔と付き合ってるなんて、ひまちゃんに言えないでしょ」
「そやけどーあの子なら大丈夫とちゃう?」
「……俺がまだ秘密にしたいんだけど」
「すち君……かわえ…そんなに二人だけの秘密にしときたかったん?」
「うるさいよ!いいじゃん…やっと一緒に生きれるんだから」
「ふふっそやね、じゃあなっちゃんにもしばらくは内緒やね」
ひまちゃんに伝えたのは本当のことじゃない、恩返しなんかじゃないただあの土地には他国へ消えた恋人を待ち続けて星になった狐がいたというだけ、それが呪いとなってその土地に人と狐を縛っていた、でもやっと出会えたから姿形は変わったけれど貴方は変わらない私の恋人
「生まれ変わっても愛してるよ」
「うん!俺も愛してる!今度はずっとそばにいるよ!」