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朝の満員電車、もっと早く家をでればもっと空いてるし座ることもできるんだけど、俺は寝たいからいつもこの時間、だからまぁ当然のごとく席に座ることはできないんだけど今日は運良く扉側に陣取ることができたなぁって思ってたのは最初だけ
俺、男なんだけどな…なんでお尻触られてんの??最初こそたまたま手が当たっただけかなぁ?なんて思ってたけど違う、撫でるし揉んでくるしすっごく不快なんだけど?世の女の子達こんなのやられてんの?そりゃあ女性専用車両とか出来るよねぇ…にしてもどうしよ…どうやってとめよ…腕掴む?叫ぶ?
「ねぇ、あんた何やってんの?」
聞き覚えのある声、いるまちゃん同じ電車に乗ってたんだ…
「…何もしてねぇけど?」
「しらばっくれるなよさっきから手の動きが怪しいんだよ」
「何もしてねぇって!」
「じゃあこの手、なに?」
後ろにあった手を掴み上げてさっきから思ってた事をぶつける
「さっきから俺のお尻触ってさ、不快なんだけど」
「こうやって言ってるけど?」
「ッチ」
「舌打ちするってことは認めんだな、こいつ痴漢です!」
そうやって俺が掴み上げた手を指しながら大声を出す、すれば周りの視線がこちらに集まり居心地が悪そうにする男、そのまま不快ではあるものの手首を掴んだまま次の駅で降りて駅員に引き渡した
「はぁ…いるまちゃん、ありがとね」
「お前黙ってんなよ」
「だって…最初は俺の勘違いだと思ったんだよ…」
「アイツずっとお前狙ってたぞ」
「えっ…」
「俺はこの時間に乗ることすくねぇけど、乗った時はアイツ大概お前の後ろにいたぞ」
「教えてよぉ…」
「流石に気づいてると思ってたんだよ」
「そうかもだけど…」
なんか、ぞわっとした…俺ずっと見られてたってこと?気持ち悪いというか怖いな
「なんか…えーいるまちゃん他にはいない?」
「え、すちお前…気づいてねぇの??」
「何に?」
「お前、イケメンじゃん」
「…ん?」
「お前の周りいつもOLとか女子高生だぜ?熱視線向けてんぞ?だからさっきのヤツが目立ってたんだけどよ」
「それはそれで怖い……えーしばらく早い時間に乗ろうかな」
「そうしろー寝てぇなら早めに登校して教室で寝てろよ」
痴漢なんてもう、あんな不快なの一生会いたくない…はぁ…これから気をつけよ…あと、ちょっと怖いからしばらくいるまちゃん一緒に登校してくれないかな…
「すち、俺普段6時ぐらいのやつに乗っから、周り気になんならそれくらいのに乗りな」
「うん、そうするー」
一緒に、とは言ってくれないけど大体の時間教えてくれるんだからいるまちゃん優しいなぁ…
「ありがとういるまちゃん」
「いきなり、なんだよ」
「言いたかっただけー」