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ソファに座って珈琲を飲みながら仕事をするいつも通りの午後、ゆっくりと文字を打ち込む作業、皆のように俺は早く入力ができないからこの作業はいつも時間がかかってしまう、時間をかけて入力した文章のチェックをして誤字を修正して、んーっと伸びをする

「終わったぁ…」
「お疲れ様すち君、珈琲のおかわりいる?」
「いいの?」
「多めに淹れたから大丈夫!」
「なら一杯ちょうだい?」
「はーい」

珈琲を淹れたみことちゃんから声をかけられる。家では俺も淹れるけど、珈琲はみことちゃんが淹れたやつのが美味しい。

「おまたせ」
「ありがとう、ふふっご褒美だ」
「すち君、俺の淹れる珈琲好きだよね」
「だって俺が淹れるより美味しいんだもん」
「ありがとーすち君が淹れるのも美味しいよ」
「まだ今度淹れてあげる」
「やった、楽しみ!」

にこっと笑うみことちゃん。笑うと可愛いんだよね…癒やされるなぁ…

「俺はもうちょっと仕事頑張るね」
「お、頑張れすち君!俺は向こうでショート作ってくるー」
「みことちゃんも頑張れ!」

ソファから腰をあげて珈琲を片手に自分の部屋に戻るみことちゃん。俺も癒やされたし、もうちょっと仕事頑張ろ!

思ったより集中していたみたいで気付けば空がオレンジに染まっていて驚いた

「俺、そんなに集中してた…?」
「してたよ?」
「わっ!」

俺の顔の前にみことちゃんの顔がドアップで写る、金色の髪、黄色の瞳に夕日が写り込んで蜂蜜みたいにキラキラして綺麗…

「俺が部屋から出てきたのにも、声かけたのにも気づかへんし」
「…ごめんね?」
「ええよ、集中してたんやもんしょうがないよ」
「みことちゃん」
「なぁに?」
「そのままで」
「へ?」

キラキラした瞳を見ていたくて気付けばそう言ってた…

「すち君?」
「あ、ごめん動いていいよ」
「何やったのもう」
「みことちゃんの目が綺麗だったから思わず…」
「なんそれ!なんかはずい!」
「顔真っ赤になった可愛い!」
「可愛いくない!」

頬膨らませて怒るみことちゃん、膨らんだ頬をつんっと突けばぷすっと間抜けな音がして二人で笑った
みことちゃんの淹れた珈琲にキラキラとした瞳が見れて今日は幸せな日だなぁいつまでもこんな日が続けばいいな
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