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静かな部屋でみことちゃんと二人、特に話すこともなくお互いに別々のことしてた、いつもこうってわけじゃないけど、たまーにある。そばにいれるだけで良くて隣に座る彼の体温が感じれればそれで良い時、今日もそんな感じでゆるっとした時間を過ごしてれば

「すち君!」
「うわ!なに??みことちゃん!」
「ねぇ!花火しよ!」

スマホを見てたみことちゃんがいきなり顔を上げて、そう言った

「なんで突然…」
「あんな、さっきまで線香花火のゲーム見てたんよ」
「あるねぇ…綺麗だよねあのゲーム」
「見てたらやりたくなった!」
「それで、花火」
「そう!」

みことちゃんが突発的に何か言う事はいつものことだけど花火かぁしばらくやってないなぁ

「やらん?」
「いいよ、花火買いに行こうか、この時期ならスーパーで売ってるでしょ」
「やった!いこいこ!」

ささっと出掛ける準備をして買い物へ、ちょうど日が沈んできて歩きやすい時間でよかった、最近歩くだけで汗だくになるから外歩きたくないんだよねぇ

「そういえば線香花火だけでいいの?」
「いいよー!手持ち花火は今度みんなとやろ!」
「お、いいねぇ」
「ええやろ!みんなでやるときは浴衣着ようよ!」
「俺はあるけど、みことちゃん持ってるの?」
「ないけど…買う!」
「じゃあ楽しみにしてよっと」
「俺もすち君の浴衣楽しみ!」

歩きながら次のやる時の話で盛り上がる、きっと皆嫌がらないだろうし、なんなら彼らがはしゃぐのが目に浮かぶ
お店に着いて無事に花火を購入して近所の公園へ、公園って花火禁止にしてるとこもあるけどちょっと大きめの公園だからなのか禁止されてなかったのはラッキー

「俺、水持ってくるね!すぐ戻ってくるから待ってて!先やったら駄目やからね!」
「やらないよぉ」

走って水を汲みに行って帰ってくるみことちゃん、楽しそうだなぁ

「よし!水の準備オッケー!暗くなってきたしやろ!」
「そうだね。はいみことちゃんの花火」
「ありがとー」

数本を分けて渡して、お互いに1本持って火をつければ、パチッと音がして火花が散りはじめる

「綺麗だねぇ」
「うん、パチパチ光って綺麗…」
「今度は皆と花火しようね、その時は誰が一番最初に落とすか勝負しよ?」
「ええね!そん時は負けんよ!」

二人で花火を眺めながらそんな話をする。
きっとみんなでする花火は楽しいだろうけど、今は二人でする花火を楽しみたいからまだ落ちないでねっと俺は光る花に願った
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