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みことちゃんと他愛も無い話をしながら会議室に向いながら廊下を歩いていれば、外から雨が激しく降り出す音がする

「雨ひどいねぇすち君傘持ってきてる?」
「折り畳みなら持ってきてるけどこの雨だと意味ないかな?帰る頃には止んでたらいいんだけど」
「そっかぁ、俺は何にも持ってきてないから濡れて変えるの覚悟だなぁ」

そんな会話をしていればガシャーンと雷の落ちる音がして周りが暗くなる

「うわぁ!びっくりした!停電?」
「……」
「すち君大丈夫?」
「あっえ、」
「すち君?」

みことちゃんが心配そうにこちらを見てくるが俺はそれどころじゃなくってとりあえずなにか返事をしなきゃと焦ってればまた空が光って雷の、落ちる音

「わああ!」
「すち君、もしかして雷苦手?」
「にがて…みことちゃん、手繋いでもいい?」
「ええよ、はい」

そうやって差し出してくれた手をぎゅっと掴む

「ちょっとの間でいいから側にいて…」
「言われんでも一緒におるよ、俺の手で耳抑えたらましになるかな?すち君、俺に抱きついてよ耳塞いであげる」

言われたままにみことちゃんに正面から抱きつけば耳を音が聞こえにくいように耳を塞いでくれる、さっきよりは音が聞こえなくなってほっとした

「停電直るまでここにおろ?雨は落ち着いてきたみたいだから雷もおさまるよ」

耳のそばでそうやって言ってくれたみことちゃんに首を動かしてコクリと頷きみことちゃんの腰にしがみついて数分

「お、停電直った!んー雨もやんだっぽい?」

塞いでいた手を外して「すち君?もう大丈夫っぽいよ?」と頭を撫でながら言う

「もう、へいき?」
「うん、雨やんだし、空も明るくなってきたから大丈夫だと思うよ?」
「…みことちゃんありがとう…うぅ恥かしいとこ見せちゃった…」
「どういたしましてー!誰にだって苦手なことあるんやしええと思うよ?それに俺は約得だったし」

そう言うと俺の手を掴んで「会議室行こ!」と俺を引っ張っていくみことちゃん。恥ずかしかったけどみことちゃんと抱きつけたのは嬉しかったなぁ、雷は怖いけどたまにならいいかな
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