俺がまったり絵を描いてると、仕事をしていたらんらんが

「ごめんすち！ちょっと吸ってくる！」

とタバコとライターを持ってベランダに向かおうとした、それを目で追いながら持っていたペンを置き

「いいよ、その代わりご飯おかわり禁止ね」

と言った。らんらんが喫煙者なのは知ってるし吸うのも、まぁいいけどでも嫌なもんは嫌なんだよなぁ……煙草やめてくれないかなぁ

「ひどいっ！」
「ひどくないよ、らんらん俺が煙草嫌いなの知ってるでしょ？」
「知ってるけど！！今すっごい吸いたい気分なんだよ！」
「止めてないじゃん」
「そうだけどーあーうぅ電子ならいい？」
「電子なら許す」

このまま電子に移行してくれないかな、電子なら煙もないし匂いもしないから平気なんだけどなぁ


嫌そうな顔をするすちを見つつ、電子ではあるものの何となく申し訳なくてベランダに出た

「ふぅ……本当に煙草やめなきゃ駄目かなぁ……」

付き合い初めからすちが煙草を嫌ってるのを知っていたけど、なかなかやめれずにいた、理由までは知らないけど煙の匂いを異常に嫌うんだよなぁ聞けば話してくれるのかなぁ……吸い終わったし思い切って聞いてみようと座って絵を描いてるすちに問いかければ

「すちってなんでそんなに煙草嫌いなの？なんか理由あったりする？」
「え？」
「言いたくないならいいんだけど」
「元カノ」
「は？」
「元カノ、ヘビースモーカーだったんだよ」

予想外の言葉が返ってきて驚いた。そりゃあすちはイケメンだし彼女くらいいただろうけど……まさか煙草嫌いの原因だと思わなかった。

「浮気しまくるわ連絡すぐ返さないとヒステリックになるし自分は浮気するのに俺が女性といると怒るし、とにかく面倒な彼女だったんだよ」
「おぅ……」

すちでも面倒な人とか言うんだな……

「当然とうの昔に別れてるんだけど、別れた後も面倒でストーカーされたんだよねぇ」
「はい！？」
「毎日のように電話かけてくるし、自宅知られてたから家の前で待たれたうえに手作り料理とか渡されるんだよ？何入ってるかわかったもんじゃないから即ゴミ箱いきでさぁ…それが嫌で引っ越してもどこから知ったのか追いかけてくるし、流石に精神的にきちゃって、元カノにブチ切れちゃってそれからは被害なくなったんだけどねぇ」
「……話止まらんじゃん……」
「終いにはこんな人だと思ってなかった、だよ？」
「災難……だったね……」
「でしょ？そのね元カノを思い出すから煙草嫌いなんだよ、特にあの匂い嫌い」

理由、しっかりとあったなぁ……思ってたより重ための……トラウマに近いんだろうな、匂いで……思い出すかぁ…

「俺、禁煙しようかなぁ……」
「えっ！する？しよ！禁煙するなら好きなもの作るよ！」
「めっちゃ、喜ぶやん……なら今日から禁煙する、ただしばらくは電子吸ってもいい？」
「電子なら……いいよ？」
「よし！なら禁煙頑張るかぁ！」
「頑張れらんらん応援する。全力で！」

元々禁煙しようとして電子も使ってたし、俺といるのに元カノ思い出すとか嫌だから絶対にやめよう

俺は絶対に！禁煙する！！