短編集




今日は俺の家で2人でお酒を飲んでる、宅飲み自体は珍しくないけどみことちゃんと2人でていうのはあまりなくて、大抵はみんなが一緒だしそっち方が俺もみことちゃんもわいわい出来て好きだ、でもたまには2人でみことちゃんを独り占めしたい夜だってあるんだよね

「すち君は今日何飲むん?」
「んー?俺はモヒート飲もうかなって」
「ミントのやつ?」
「そうそれ俺結構好きなんだよね」

家でも作れるから今日はレシピを見ながら作ったんだ結構簡単だったからまた作ろうかなぁ

「すごぉ!自分で作ったん!?」
「結構簡単だったよ?」
「そうなん?」
「うん、また今度飲むときに作ってあげるよ」
「わぁい!やった!楽しみにしとる!」
「ふふ、楽しみにしてて、みことちゃんは何飲むの?」
「俺?カルーアミルク!あまーいの飲みたかってん」
「カルーアミルクも美味しよねぇ、飲みすぎないでよ?」
「わかっとるよ!」

本当にわかってるのかなぁちょっと心配カルーアミルクって美味しいから飲みすぎるんだよねぇみことちゃんお酒弱いからすぐ回っちゃいそう

「すち君、すち君!早く飲もうよ!」
「はいはい、ちょっと待ってね」

俺は早く早くと急かすみことちゃんの隣に座ってグラスを持って

「「乾杯」」

合わせたグラスがカランっと綺麗な音をたてた、俺は一口飲んでグラスをコトンと置いた

「ん、おいし」
「あまーい、やっぱおいしー」

みことちゃんは両手でグラスを持って早いペースで飲んでいく、あーあ言ったこっちゃない

「みことちゃんゆっくり飲みなよ」
「だって美味しいやもん」
「少しは水飲みなさい、おつまみも準備したんだから食べなよぉ」
「あ、せやね!」

俺は机に置いておいたナッツやチーズとポテトチップスに目を向けて、カルーアミルクは甘いからポテチがいいかなっと思って袋を開けてお皿にだしてみことちゃんの前にだす

「ありがとー!」
「好きに食べな?」
「うん!」

ポテチを食べることで飲むペースが落ちたからいいかな、美味しそうに飲むみことちゃんを見ながら俺もつまみにナッツを食べつつお酒を飲む

「すちくーん」
「なぁに?」
「えへへ、よんだだけぇ」
「みこちーすでに酔ってるな?」
「うん、よってるーおさけおいしい!」

まだ1杯目なんだけどな…お酒弱いなぁぽやぽやとしながら話すみことちゃん、いつも以上にニコニコして楽しいそうで可愛らしい

「すちくんのんでるー?」
「大丈夫、ちゃんと飲んでるよ」

ほにゃんとしてるみこちゃんの頭をポンポンと撫でつつ、俺も何時もより早いペースでグラスを傾けている、みこちゃんと話しながら飲むと楽しくてついつい進んじゃうんだよね

「すち、すーち」
「どうしたの?」
「それちょうだい」

俺の手に持っているナッツを指さしながら、可愛らしくちょうだいとおねだりしてくるものだからちょっと悪戯したくなって手に持ったナッツをみこちゃんに近づけて口を開いたところでスッと上にあげる

「ああ!すちくーん!」
「ははっごめん、ごめん、はいどーぞ」

むぅとむくれるみこちゃんに笑いながら謝りもう一度、今度は悪戯せずにナッツ口に運んであげる

「ん、おいしぃありがとうすち君」
「どういたしまして、まだいる?」
「いる!」

元気に返事するみこちゃんの口に1個ずつ運んであげればもぐもぐと食べるのがリスみたいで可愛い

「んぐっ、ありがとう!おいしかった!」
「もういいの?」
「うん、いっぱいたべちゃった、すち君ののこってる?」
「残ってるよ」
「よかった!」

お酒を飲みつつ食べてたからみこちゃんの顔が真っ赤になってきた、みこちゃんは気にせずに次のを注いでる、んーもうそろそろ止めたほうがいいかなぁ…

「みこちゃん」
「なにぃ…?」
「そろそろ」
「ん?」

お酒を飲んでコテンっと首を傾けて不思議そうにこちらを見てるみこちゃんの手から俺はグラスをスッととりあげてしまう

「もう、おしまい」
「あぁ…おれの〜!」
「顔真っ赤だからもうダーメ」
「おれまだのみたーい」
「だめです!」
「なんでぇ…」
「飲むなら明日ね」
「いまいれたのもったいないやん…」
「俺が飲むからいいよ」
「え、ずるい」

ずるい、ずるいと文句を言うみこちゃんを抑えつつグラスを一気に傾けて飲みきってしまう

「甘くて美味しい…久しぶりにカルーア飲んだや」
「うぅおれのぉ…」
「これ以上飲んだら明日に響くから駄目、今日は少し酔い醒ましてから寝るよ」
「はぁい…」

少ししょんぼりしながらお水を飲むみことちゃんの頭を撫でて俺は少し残ったモヒートを飲む

「すちくんは強くてええなぁ」
「俺は弱いのは弱いで可愛くていいと思うけどね」
「えぇ、あんま嬉しくなぁい!」
「あははっ、んっ俺もこれで終わり、さて寝る準備しようかな」

飲み終わったグラスとツマミを入れたお皿を持ってキッチンへいってささっと洗ってしまう、洗い終えてみこちゃんのところに戻れば、みことちゃんは机に突っ伏して寝ていた

「あらま……」

すやすやと寝てしまったみこちゃんの寝顔…俺は机に置いていたスマホを構えて1枚パシャリと撮ってから、軽く身体を揺すってみこちゃんを起こしてあげる

「みこちゃーん起きて?」
「んん…」
「おきてぇ歯磨いてお布団でねよー?」
「んん…おきるぅ…」

ゆったりとした動作で起きあがって洗面所にふらぁと歩き出すみこちゃんの様子を見ながら俺も寝る準備を整えて、みこちゃんが寝てる隣に入り込んだ

「みこちゃんおやすみ」
「おやすみぃ…すちくん…」

今日は独り占め出来てよかったな、やっぱり時々2人で飲む時間つーくろ
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