短編集
ある日俺はAVを持って途方に暮れていた…アニマルビデオなら喜んで見たんだけどな…
「ねぇ…みことちゃん…」
「すち君どうしたの?」
「これ、押しつけられちゃった…俺そんなに見ないように見える…?」
「見えるなぁ……で実際どうなん?」
「見たことないです……」
「なっちゃんの予想当たっとるやん……今から見ちゃう?」
"お前こういうの見たことねぇだろ、一回ぐらい見とけよ"と謎の気遣いによって押し付けられたこれ、押しつけた本人は"俺用事あっから帰るなぁ"と早々に帰ってしまい残ったのは俺とひまちゃんと一緒に遊びにきたみことちゃん
「えっ…みるの…」
「見ないの?せっかくやし見ちゃわへん?」
「…誰かと一緒に見るもんじゃないで、しょ…?」
「たまにあるで?俺兄ちゃんと見たことある」
「えぇ…でもそれは兄弟だからで…」
「ねぇ見ようよぉ、俺すち君が初めて見てどんな反応するか気になる」
「……それが本音でしょ」
「えへへ、だから見よ?」
「もう…しょがないなぁ…」
なんとなくみことちゃん譲る気なさそうだから諦めて見ることを決めた、俺の反応見たって面白くないだろうに…
なっちゃんに頼んでAVをすち君に押し付けることに成功した!普段清楚とか癒し系と言われるすち君が見たらどうなるか気になっとたんよ、あわよくばちょっとえっちな雰囲気になれば……ううん考えない!えっちなすち君見れれば俺はいいんだ!
「……本当に一緒にみるの?」
「見るよ!」
「…じゃ、じゃあ再生する…よ?」
ソファに座るすち君の隣に座って準備万端、ここならすち君がよく見える
再生ボタンを恐る恐る押したすち君、始まった動画に顔を赤くしながら見て、時々漏れる声がエロい
「…っ、ぁ……え…」
えろっ…なんで見てるだけでこんなエロい声出るんや…見終わった頃には顔真っ赤にさせて手をパタパタさせるすち君
「……すごいね…」
「そうね」
動画なんて全く見とらんかった、動画見るすち君ずっと見とったAVよりエロかったんやが?
「キスってさぁ本当に気持ちいいのかな?」
「へ?」
「すごい、気持ち良さそうじゃない?」
「そうかもしれんけど……」
「一回してみたいよねぇ…」
してみたい…言うた?俺の聞き間違い?今、すち君してみたいって言った!?これいけたりする?言ってみてもええ?
「……俺としてみる…?」
「え…?」
「嫌やなかったら俺とキスしてみる?」
言っちゃった!引かれるかな…駄目かな…?
「……い」
「…今なんて?」
「…みことちゃんなら嫌じゃないって言ったの!」
「なら…してみる?」
「うん…」
恥ずかしそうに顔を下に向けながら頷くすち君……めっちゃ可愛い!!ガバっと抱きしめたい気持ちを抑えつつそっとすち君の頬に手を添えてキスをする
「ちゅっ」
「んっ…」
「もっとしてええ?」
そう言えば、顔を真っ赤にさせてこくんっと頷いてじっとこっちを見るすち君……あわよくばって思ってたけど!すち君こんな簡単に唇許したらあかんよ!悪い男に騙されないか心配になる…
もう一度、唇を寄せて合わせればおそるおそる舌が俺の唇に触れたから迎えるように口を開いて絡め取ってしまう、口の中をくまなく舐めるように動かす
「んむっん、ふっ、あ、ぁ…」
慣れないのか呼吸が上手く出来ずに苦しそうに俺の服をぎゅっと掴んで瞳をうるうるとさせてるから名残惜しいけど開放してあげる
「っん…あ、はぁ……はぁ…」
「どう?気持ちよかった?」
「……ぅん…」
呼吸を荒くしながらぽやんとするすち君……襲ってまいそうなんやけど…告白もまだしてへんのに…
「み、ことちゃん…キスしたことあるの…?」
「あらへんよ?」
「……なんで…こんなに、上手いの…?」
「妄想の結果?」
「なにそれ…?」
妄想の結果に間違いはないんよね、ただそれが女性やなくてすち君だってだけで
「また、一緒に見ような!」
「やだ…もう恥ずかしいから一緒には見ない…」
「一人で見るってこと?」
「っ見ないから!一人でも!」
「見てもええのに」
「見ない!……、、だし」
「…ん?すち君なんか言った?」
「何でもない!」
聞こえちゃったよ!咄嗟に聞こえてないふりしたけど!思い出しそうだしって言ってたっ…!かわいい…
「あぁ!もう!この話終わり!みことちゃんご飯食べてくんでしょ!」
「うん!今日は何つくるん?」
「えっと…肉じゃがの予定」
「やった!俺肉じゃが好き!」
「ん、よかった、なら座って待ってて?」
無理やり話しを変えてご飯の準備をしにキッチンに消えたすち君……それにしても今日、なっちゃんに渡してもらうように頼んでよかった…すち君めっちゃ可愛かった!!!それになんか押せばいけるような気がする!これからはもっと積極的にアプローチしてこ!