刀の保健室って何ですか?
𝐍𝐚𝐦𝐞
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しかし、もう学校に行かなくて済む。
それが私にとって何より助かることだった。
「昨日の今日で同意とは仕事が早くて助かるよ。」
翌日を迎えた今日。朝早くから宅配業者を装った長義が家に来た。
私が今から行くのは遠く離れた場所。
人と人ならざる者が共に過ごす場所。
『新生活ってワクワクしますね。』
「君の成果を評価するのが俺の役目だ。宜しく頼むよ。」
荷物とともに乗り込んだ車。
見慣れた通学路が風のように通り過ぎた。
「色々説明したが、1度で理解して欲しいとは思っていない。まず迎えるのはこの五つの中から選ぶ刀剣男士。それが君の片腕となり生涯君を守り支える刀となる。」
選んでおくように、そう言って彼は部屋から出ていった。並ぶ五つの文字は全て漢字。
きっと誰を選んでも私を信頼してくれる。
その中に見慣れた漢字を見つけ、徐にそれを読んでしまった。
『やま、やまんばぎり、くにひろ?』
それは長義と同名なもの。兄弟なのかな。
見知った顔がいれば心強いと思ったのだ。
ちゃらららら〜。
何処からか流れた音楽に耳を傾けた。
何か催しでもやっているのかな。
「山姥切国広だ。……何だその目は。写しだというのが気になると?」
突然背後から聞こえた声に背筋が凍る。
ガバ、と勢いよく振り向けばそこに居たのはてるてる坊主見たいなフォルム。隙間から見える金髪。どこか長義を思わせる表情に感嘆した。
『めっっっっっっちゃ綺麗。』
「き、綺麗とか言うな。」
布で顔を隠す人。腰にあるのは長い刀。
まって、長義はなんて言ってた?
選んでおいてくれと言ってた気がする。確かに選んだ。ただ、出現させろとは言ってない。
物覚えが悪い私は昨日から今日にかけて幾度も長義に殴られた。
コツン、ゴツン、と毎度ちゃんと痛い。
また殴られては困る。
『あ、ちょーっとまってて。』
無理やりにその人の背中を押して椅子に座らせた。長義を呼びに行こうとした時、扉が開いた。
「ほう?俺の偽物くんをわざわざ呼ぶとは君も良い性格をしているじゃないか、」
『長義まってこれは何かの手違い』
「俺は偽物じゃない、写だ。」
え?
隣に並ぶとより似ている。
布を被っているか被ってないかの違い。
「主。本科がいると言うのに写しの俺を選んだのか?」
『本科?』
「君、本当に此奴でいいのか?選び直せるぞ?」
『仲悪いの?』
そう聞くと口を閉じる二人。
なあんだ。仲良しなんだ。
『だって苗字同じだったから、山姥切長義と山姥切くにひ』「君!」
ちゃららららら〜ん。
先程の曲がなったと思えば、長義の身体が光った。
遮った長義の行動も遅く、私は彼の名を呼んでしまった。慌てて口を閉ざすも遅い。彼の胸には隣人の山姥切国広同様の初!の印と共に桜を舞わせていた。
「・・・・・・・・・ここが鍛刀部屋だったことを忘れていたよ。もう出ようか。」
『あっ、はい。』
後に知ったこと。
あの鍛刀部屋は初期刀の権限及び政府に必要な刀を鍛刀する場所だったらしい。
霊力さえあれば権限させられるほどの強力な造りだったから、私が長義を ゛呼んでしまった ゛らしい。
晴れて山姥切二人と共に私は審神者となった。