刀の保健室って何ですか?
𝐍𝐚𝐦𝐞
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____政府の安地を作るんだけど、君にその一括をお願いしていいかな?
二徹、いや三徹で意識朦朧とする俺の前に立った役人が俺には悪魔に見えた。
安全地帯を作る?
時の政府では、歴史修正主義に対抗するべく霊力不足の審神者や特殊なケースの本丸の刀剣男士を一時的に保護し、次の審神者に引き継ぐための機関の計画が進んでいた。
それを通称「安地」と呼んでいたが、計画は難航していたようでこの頃はその話も一切聞かなくなったというのに、まさか自分がその委託をされるとは微塵も思っていなかった。
『俺に任されても困る。君にはこの書類の山が見えないのか?これを終えるのにも少なくとも2ヶ月はかかる。』
「じゃあその仕事全部引き受けるからさ。」
『は?』
これを全部引き受ける?
無償で?
「長義くんは基本的に特命調査に言ってもらうわけなんだけど、君には安地の方を頼みたいんだよね。できる?」
『やります。』
食い気味な返事の元、全ての仕事と任務が返上され、俺の手元には分厚い計画の資料が残った。
それが、三日前の事だった。
・・・・・・・・・。
「おにいさん、安くするよ!一杯どう?」
「おにいさん!私のお店入っていかない?」
そして今。
安地の計画に則るがままに訪れた現地調査。
指定されたのは2020東京。
『すまない。聞きたいことがあるのだけど、いいかな。』
「はあーい!なんでも聞いてください。」
股まで見えそうな節操のない衣服を身につけ道行く男に話しかけるという仕事をする君には分からない話だろうけど。と内心思いながら口を開く。
『霊力充分、年齢は若めの体力がありそうな人間を探している。できれば家族関係が複雑でなく歴史に干渉するような人物でない。君の周りにそれが当てはまる人間はいるかな?』
頭にクエスチョンマークを幾度と並べる女の様子に長義はふぅ、とため息を着く。
『まあ、君に話しても無駄だったな。いい
゛忘れてくれ。 ゛ 』
俺がそう呟くと、女は焦点の合わない視線で首を縦に振る。そして数秒後、何も無い様子であれ?と呟く。
「さっきのお兄さん、どこいったんだろう。」
キャッチの途中だったのは覚えている。とても綺麗な銀髪のスーツ姿だったが、その当人である男性の姿がもう無かった。
「まあいっか。あ、そこのおにいさんたち〜!呑んでいかない?安くするよ〜!」
記憶がたしかに消えたことを確認し、長義は静かにその場を離れ再び夜道を歩き始めた。
先程長義が彼女に行ったのは軽度の催眠。
できるだけ痕跡を残さずにその場を立ち去ることが目的である。
時の政府、審神者、刀剣男士は、基本的に歴史の歪みを元に戻す機関である。しかし、歴史にとって修正主義者も我々も関与している時点で異物となる。
検非違使を出現させる前に何とかして依代となる審神者を見つけなくては、と早足で歩く。
東京は人間が密集し生活する区域。
人間でないものも当然集まってくる。
『何かね。俺は今仕事で忙しいんだけどな。』
背後に感じる異様な気配に振り向く。
歴史遡行軍は刀剣男士の気配を感じ取るのが上手いらしく、そこには複数体が刀を構えていた。
さあ、お前たちの死が来たぞ
久しぶりに振るう自刃に手をかけた。
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