1章
夢小説設定
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「あー、もうちょっと信じらんないアイツー!」
と、郁が吠える気力を取り戻したのは訓練を終えて寮に戻ってからである。
「信じられないのは郁だよ」
「由美の言う通りよ。
ふつう教官に背後からドロップキックなんかかます?
由美にまで被害を及ぼして…」
「それは本当にごめん。
でも喧嘩を売ったのは向こうが先よっ!」
郁は顔をしかめながらシップをベタベタ貼られた右腕を曲げ伸ばした。
「腕は痛くない?」
「うん、大丈夫」
「あたし的には堂上教官の株ますます上がったけどなー」
「何よそれ裏切りの応酬!?
友人がこんなひどい目に遭わされたってのに!?」
「郁、日本語変」
「前から一度言わなきゃいけないと思ってたけど、言語センスひどすぎ。
トモダチだから言ってんのよー」
「ちなみに郁。
手加減されてたからね」
「どこが!?」
「腕ひしぎって完全に極められたら3秒も保たないよ。
堂上教官が腕ひしぎ出来ないわけないし。
そんな中10秒も保ったんだから」
「礼儀知らずの山ザルに娘に突っ掛かれても最後の容赦は忘れない大人の優しさ、益々あたしの好みだわー」
由美の話はさらに柴崎の堂上への好感度を上げたらしい。
それからも郁と柴崎は言い合いをしていたが口で柴崎に勝てるはずもない。
「ところでさ、これ」
由美は堂上から預かったハガキを郁に返す。
「あれ、なんでそれ」
「堂上教官が扱いに困ってたから回収してきた。
親に報告どうするの。
防衛員配属ってことまだ言ってないんでしょ」
「ああそれもあったか!」
郁はコタツの天板に突っ伏して頭を抱えた。
「いずれ働いてるとこ見に来るとか言ってんでしょ?」
思いがけず箱入りよね、と呟いた柴崎が共同で買い置きさている菓子類の中から適当に一袋を取り出した。
「わーい、ちょっとお腹空いてたんだよね。
ていうか、そんなに反対されてるの?」
「上にアニキ3人いるから、女の子に対して過大な期待を抱いちゃってる訳ようちの親としては。
蝶よ花よと育てたかったらしいんだけど」
「そりゃ郁の性格上難しそうだねぇ」
「卒倒に一票」
「いや、退職でしょ」
柴崎に続き、由美は最悪の想定を話す。
「防衛員と図書館員じゃ業務かぶらないしねぇ」
「あ、でも図書特殊部隊なら図書館業務にも関わるらしいから、っても新米の私たちには関係ないけどね」
と自分で提案しといてあれだけど早々にオチを付ける。
「ていうか、笠原と由美も確か司書資格持ちでしょー。
何で図書館員志望にしなかったのー」
「え、由美も第一志望、防衛員だったの!?」
郁にそう聞かれたが、ある疑問が浮かんだため柴崎に問う。
「何で麻子が私の第一志望が防衛員だって知ってんのよ!」
柴崎に志望の話をしたことはないはずだ。
柴崎は悪びれずに笑い
「情報網ってのは広げ方にコツがあんのよ」
「ひい、怖い怖い」
「ちなみに女子で防衛員第一志望って、関東圏じゃあんたたちが史上初らしいわよ。
全国でもまだ数件しかないって」
「えっそうなの!?」
それは知らなかった。
だとすれば、小牧が由美や郁のことを知っていることに納得がいった。
というか、面接の時にいた気もする。
「で、何で親に反対されるのが目に見えてるのにわざわざ防衛員志願だったわけ?」
流石に志望動機までは掴んでいないらしい。
「あっ、イタタ」
大袈裟にシップだらけの腕を庇い
「クソ教官に極められた腕が痛いからもう寝るわ」
「ウソが下手ねえ、あんた」
と、郁はベッドに入ってしまった。
「で、あんたも教えてくんないんでしょ」
「当たり前でしょう」
柴崎はもちろん郁にでさえ教えるつもりはない。
と、郁が吠える気力を取り戻したのは訓練を終えて寮に戻ってからである。
「信じられないのは郁だよ」
「由美の言う通りよ。
ふつう教官に背後からドロップキックなんかかます?
由美にまで被害を及ぼして…」
「それは本当にごめん。
でも喧嘩を売ったのは向こうが先よっ!」
郁は顔をしかめながらシップをベタベタ貼られた右腕を曲げ伸ばした。
「腕は痛くない?」
「うん、大丈夫」
「あたし的には堂上教官の株ますます上がったけどなー」
「何よそれ裏切りの応酬!?
友人がこんなひどい目に遭わされたってのに!?」
「郁、日本語変」
「前から一度言わなきゃいけないと思ってたけど、言語センスひどすぎ。
トモダチだから言ってんのよー」
「ちなみに郁。
手加減されてたからね」
「どこが!?」
「腕ひしぎって完全に極められたら3秒も保たないよ。
堂上教官が腕ひしぎ出来ないわけないし。
そんな中10秒も保ったんだから」
「礼儀知らずの山ザルに娘に突っ掛かれても最後の容赦は忘れない大人の優しさ、益々あたしの好みだわー」
由美の話はさらに柴崎の堂上への好感度を上げたらしい。
それからも郁と柴崎は言い合いをしていたが口で柴崎に勝てるはずもない。
「ところでさ、これ」
由美は堂上から預かったハガキを郁に返す。
「あれ、なんでそれ」
「堂上教官が扱いに困ってたから回収してきた。
親に報告どうするの。
防衛員配属ってことまだ言ってないんでしょ」
「ああそれもあったか!」
郁はコタツの天板に突っ伏して頭を抱えた。
「いずれ働いてるとこ見に来るとか言ってんでしょ?」
思いがけず箱入りよね、と呟いた柴崎が共同で買い置きさている菓子類の中から適当に一袋を取り出した。
「わーい、ちょっとお腹空いてたんだよね。
ていうか、そんなに反対されてるの?」
「上にアニキ3人いるから、女の子に対して過大な期待を抱いちゃってる訳ようちの親としては。
蝶よ花よと育てたかったらしいんだけど」
「そりゃ郁の性格上難しそうだねぇ」
「卒倒に一票」
「いや、退職でしょ」
柴崎に続き、由美は最悪の想定を話す。
「防衛員と図書館員じゃ業務かぶらないしねぇ」
「あ、でも図書特殊部隊なら図書館業務にも関わるらしいから、っても新米の私たちには関係ないけどね」
と自分で提案しといてあれだけど早々にオチを付ける。
「ていうか、笠原と由美も確か司書資格持ちでしょー。
何で図書館員志望にしなかったのー」
「え、由美も第一志望、防衛員だったの!?」
郁にそう聞かれたが、ある疑問が浮かんだため柴崎に問う。
「何で麻子が私の第一志望が防衛員だって知ってんのよ!」
柴崎に志望の話をしたことはないはずだ。
柴崎は悪びれずに笑い
「情報網ってのは広げ方にコツがあんのよ」
「ひい、怖い怖い」
「ちなみに女子で防衛員第一志望って、関東圏じゃあんたたちが史上初らしいわよ。
全国でもまだ数件しかないって」
「えっそうなの!?」
それは知らなかった。
だとすれば、小牧が由美や郁のことを知っていることに納得がいった。
というか、面接の時にいた気もする。
「で、何で親に反対されるのが目に見えてるのにわざわざ防衛員志願だったわけ?」
流石に志望動機までは掴んでいないらしい。
「あっ、イタタ」
大袈裟にシップだらけの腕を庇い
「クソ教官に極められた腕が痛いからもう寝るわ」
「ウソが下手ねえ、あんた」
と、郁はベッドに入ってしまった。
「で、あんたも教えてくんないんでしょ」
「当たり前でしょう」
柴崎はもちろん郁にでさえ教えるつもりはない。