1章
夢小説設定
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午後からは堂上に宣言されたように屋内の道場で格闘技訓練である。
「…よっと!」
郁が地面にひっくり返る。
「やっぱり強いね、由美は。
普段からその力出せばいいのに」
今日も軽くこなすつもりだった。
郁と相手する予定なんてなかった。
なのに堂上教官がすごい目でこちらを見てくるから手をなきようにも抜けなくなった。
抜いたら抜いたで怒声が響くのが目に見えている。
「もう一本!!」
郁がそう構えるがそこまで本気でやるつもりはない。
「無理無理。
何本やったって私にはまだ勝てないよ」
「ええ、じゃあ」
と郁は他の女子たちを見るが
「あんたの相手できるのは水無月くらいよ」
と言われ断れてしまっていた。
「あっ、じゃあ俺俺!」
周囲の男子隊員が目ざとく状況を察して我先に立候補する。
「(笠原に興味は全くないが)」
「(あわよくば水無月とやれる)」
という下心がありまくりだが
「アホか貴様ら!」
手を上げていた連中が後ろから堂上に無差別に張り倒される。
「笠原と水無月は俺と組め」
教官ずっるー、と大合唱を始めた男子隊員たちを堂上は一瞥で黙らせた。
「見くびるな、これに女を感じるほど飢えてない」
その言い草は郁を逆撫でした。
隣でふつふつと怒り出しているのを由美は感じていた。
「私、知らない〜」
と少し離れたところから2人を見守る。
「大丈夫ですか、教官。
あたしより背がだいぶお小さくておられるようですけど?
ちゃんとあたしの奥襟までお手が届かれますか?」
郁にとってはせいぜい挑発したつもりの台詞に堂上の表情は揺るぎもしなかった。
そこからは早かった。
気がつけば郁が背中からまともに堂上に叩き落とされていた。
「受け身くらいまともに取れるようになってからそういう口は利くもんだ。
俺よりだいぶ背がお高くておられるようだが、稽古中に一度くらいは畳を拝ませてくれるんだうろな?」
「大人気ないですね、堂上教官…」
じわじわと私に寄ってくる堂上に嫌な予感をしつつもそう伝える。
「次は水無月。やるぞ」
嫌な予感はぴったりと当たった。
「いや、私はもう十分訓練したので…」
「いいからやるぞ」
と、私の目の前で仁王立ちをする堂上。
どう言い訳をしようか考えていたところー
「ど、堂上教官!後ろ!!!」
そう私が叫んだのも束の間。
ズダンと大きな音を立てて堂上が床に転がった。
堂上の前にいた由美とともに。
由美が見たのは堂上の背中向けてドロップキックをかまそうとしていた郁の姿だった。
静止の声は間に合わずこのような形になってしまった。
「拝ませて差し上げましたが何か?
って、えええ!?
何で堂上教官、由美のこと押し倒してるんですか!?!?」
「お前のせいだろうが!!!」
急いで堂上は由美の上から退く。
「すまん、水無月。
大丈夫だったか」
「だ、大丈夫です」
とは言いつつも顔を真っ赤にしている由美。
こういうことにはあまり耐性がない。
その顔にー
「おま、その顔は」
「え?どうかしましたか?」
「な、なんでもない。
怪我はないな」
「ありません」
「ならよかった」
と由美を立ち上がらせてまだギャアギャア騒いでる郁の元へ向かっていき
不意を打たれた郁が思い切り尻餅をつく。
そして
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
ものすごい悲鳴が響き渡った。
「何これ痛い取れる腕がもげるー!?」
「うわ、腕ひしぎ…
そこまでやらなくても…」
「ルール無用のセメントで俺とやりたいとは恐れ入った、その向こう見ずに敬意を表して全力で相手してやる。
おい、水無月、30秒カウント取れ」
「え、わかりました。
1、2、…」
「30秒とか保つわけないでしょバカ!
呑気にカウントしてんじゃねーわよ!
それより助けろ!」
「いや、今回ばかりは郁が悪いと思うからどうしようもないかな」
と、少しは痛い目を見てもらおうと友人に助けはやらなかった。
「…よっと!」
郁が地面にひっくり返る。
「やっぱり強いね、由美は。
普段からその力出せばいいのに」
今日も軽くこなすつもりだった。
郁と相手する予定なんてなかった。
なのに堂上教官がすごい目でこちらを見てくるから手をなきようにも抜けなくなった。
抜いたら抜いたで怒声が響くのが目に見えている。
「もう一本!!」
郁がそう構えるがそこまで本気でやるつもりはない。
「無理無理。
何本やったって私にはまだ勝てないよ」
「ええ、じゃあ」
と郁は他の女子たちを見るが
「あんたの相手できるのは水無月くらいよ」
と言われ断れてしまっていた。
「あっ、じゃあ俺俺!」
周囲の男子隊員が目ざとく状況を察して我先に立候補する。
「(笠原に興味は全くないが)」
「(あわよくば水無月とやれる)」
という下心がありまくりだが
「アホか貴様ら!」
手を上げていた連中が後ろから堂上に無差別に張り倒される。
「笠原と水無月は俺と組め」
教官ずっるー、と大合唱を始めた男子隊員たちを堂上は一瞥で黙らせた。
「見くびるな、これに女を感じるほど飢えてない」
その言い草は郁を逆撫でした。
隣でふつふつと怒り出しているのを由美は感じていた。
「私、知らない〜」
と少し離れたところから2人を見守る。
「大丈夫ですか、教官。
あたしより背がだいぶお小さくておられるようですけど?
ちゃんとあたしの奥襟までお手が届かれますか?」
郁にとってはせいぜい挑発したつもりの台詞に堂上の表情は揺るぎもしなかった。
そこからは早かった。
気がつけば郁が背中からまともに堂上に叩き落とされていた。
「受け身くらいまともに取れるようになってからそういう口は利くもんだ。
俺よりだいぶ背がお高くておられるようだが、稽古中に一度くらいは畳を拝ませてくれるんだうろな?」
「大人気ないですね、堂上教官…」
じわじわと私に寄ってくる堂上に嫌な予感をしつつもそう伝える。
「次は水無月。やるぞ」
嫌な予感はぴったりと当たった。
「いや、私はもう十分訓練したので…」
「いいからやるぞ」
と、私の目の前で仁王立ちをする堂上。
どう言い訳をしようか考えていたところー
「ど、堂上教官!後ろ!!!」
そう私が叫んだのも束の間。
ズダンと大きな音を立てて堂上が床に転がった。
堂上の前にいた由美とともに。
由美が見たのは堂上の背中向けてドロップキックをかまそうとしていた郁の姿だった。
静止の声は間に合わずこのような形になってしまった。
「拝ませて差し上げましたが何か?
って、えええ!?
何で堂上教官、由美のこと押し倒してるんですか!?!?」
「お前のせいだろうが!!!」
急いで堂上は由美の上から退く。
「すまん、水無月。
大丈夫だったか」
「だ、大丈夫です」
とは言いつつも顔を真っ赤にしている由美。
こういうことにはあまり耐性がない。
その顔にー
「おま、その顔は」
「え?どうかしましたか?」
「な、なんでもない。
怪我はないな」
「ありません」
「ならよかった」
と由美を立ち上がらせてまだギャアギャア騒いでる郁の元へ向かっていき
不意を打たれた郁が思い切り尻餅をつく。
そして
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
ものすごい悲鳴が響き渡った。
「何これ痛い取れる腕がもげるー!?」
「うわ、腕ひしぎ…
そこまでやらなくても…」
「ルール無用のセメントで俺とやりたいとは恐れ入った、その向こう見ずに敬意を表して全力で相手してやる。
おい、水無月、30秒カウント取れ」
「え、わかりました。
1、2、…」
「30秒とか保つわけないでしょバカ!
呑気にカウントしてんじゃねーわよ!
それより助けろ!」
「いや、今回ばかりは郁が悪いと思うからどうしようもないかな」
と、少しは痛い目を見てもらおうと友人に助けはやらなかった。