1章
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教育期間が終わって、防衛員となるはずだった由美に辞令が下った。
人事に呼び出されて受け取った任命書は、由美の名前の下はたった一行の味気なさだ。
図書特殊部隊への配属を命ずる。
「…え?
これ本当に私の任命書ですか?」
「間違いありません。
教育隊から3名に辞令が下っています。
水無月由美一等図書士と笠原郁一等図書士と手塚光一等図書士」
あ、郁もなんだってちょっと安心した。
そして手塚という名前には覚えがあった。
確か、すべての訓練でトップを譲ったことがないとの評判だったと思う。
「30分後に基地司令室へ出頭してください、任命があるそうです」
「はい」
人事課を出ると、そこには郁と柴崎がいた。
「よっ、スーパーエリート」
そう言ってきたのは本を抱えた柴崎で、どうやら書庫へ向かう途中らしい。
情報の速さには今さら驚かない。
「すごいじゃん、女子のタスクフォース入りって全国でもあんたたちが初だってよ!」
「どーどどどどうしよう、あたしどうすればいいの柴崎!」
「あんたの泣き言聞いてる暇ないんだけど。
由美は落ち着いてるわよ」
「だって、由美はわかるよ!?」
「いや、私もこれでも驚いてるからね。
まあ、なるようにしかならないよ」
「ほらね。
それにいったでしょ。
堂上教官はあんたたちに期待してるって」
その含んだ言い方はなんだ。
柴崎の情報網って一体どこまでのものなんだ。
それからも騒いでいる郁を宥め
指定の時刻に基地司令室に向かった。
司令室までたどり着くと、扉の前で背の高い若い男性隊員とかち合った。
「もしかして手塚一士?」
「そうだけど…あんたは水無月 由美で、後ろにいるのは笠原郁だな」
涼しいを通り越して冷たさそうな雰囲気の手塚は、わずかな視線の運びで由美と郁を品定めしているかのようだった。
「よかったよね、1人じゃなくて!
タスクフォースに選ばれたなんて信じられないよね」
と、郁が同じ階級の気安さで話しかけると、手塚が薄く笑った。
「そうだね、そっちに関しては」
微妙に挑戦的な応対に対して
これは仲良くなれなさそう
と瞬時に察したが
郁はそうではなく。
表情で喧嘩を買おうとしていたので宥めた。
「私はいるよ。
水無月 一等図書士、入ります」
続けて
「手塚一等図書士入ります」
「笠原一等図書士入ります!」
3人並んで一礼し、室内へ。
「あれ!? え、なんで!
おじさんここに!」
と以前小牧から聞いた面白い話を思い出した。
要支援利用者と基地司令を間違えた、ということを。
「笠原郁一等図書士、手塚光一等図書士、水無月 由美図書士を図書特殊部隊に配属す。
推薦者は玄田竜助三等図書監、小牧幹久二等図書正、堂上篤三等図書正」
まさか。
堂上が推薦してくれたとは。
こちらを見ようとはしないが。
「任命者は関東図書基地司令、稲嶺和市」
「手塚光一等図書士、拝命します」
「笠原郁一等図書士、拝命します」
「水無月 由美一等図書士、拝命します」
玄田が3人に向かってニヤリと笑った。
「図書特殊部隊として諸君を歓迎する。励めよ」
「えっ…まさか3人とも…?」
郁は知らないことが多いとは思っていたけどもここまでとは…
流石に手塚ほど態度には示さないが少しひどいなって思ってしまった。
「俺の指導不足は先日の件で思い知った。
これからとことん鍛え直してやる。
もちろん、お前もだ」
「ええ…私も…?」
「当たり前だ。
図書特殊部隊に入ったからには本気でやってもらう」
『本気』
あえてその部分を強く言った堂上。
教官なだけあって由美の性格をわかっている。
前途多難だと先行きはかなりげんなりだった。
人事に呼び出されて受け取った任命書は、由美の名前の下はたった一行の味気なさだ。
図書特殊部隊への配属を命ずる。
「…え?
これ本当に私の任命書ですか?」
「間違いありません。
教育隊から3名に辞令が下っています。
水無月由美一等図書士と笠原郁一等図書士と手塚光一等図書士」
あ、郁もなんだってちょっと安心した。
そして手塚という名前には覚えがあった。
確か、すべての訓練でトップを譲ったことがないとの評判だったと思う。
「30分後に基地司令室へ出頭してください、任命があるそうです」
「はい」
人事課を出ると、そこには郁と柴崎がいた。
「よっ、スーパーエリート」
そう言ってきたのは本を抱えた柴崎で、どうやら書庫へ向かう途中らしい。
情報の速さには今さら驚かない。
「すごいじゃん、女子のタスクフォース入りって全国でもあんたたちが初だってよ!」
「どーどどどどうしよう、あたしどうすればいいの柴崎!」
「あんたの泣き言聞いてる暇ないんだけど。
由美は落ち着いてるわよ」
「だって、由美はわかるよ!?」
「いや、私もこれでも驚いてるからね。
まあ、なるようにしかならないよ」
「ほらね。
それにいったでしょ。
堂上教官はあんたたちに期待してるって」
その含んだ言い方はなんだ。
柴崎の情報網って一体どこまでのものなんだ。
それからも騒いでいる郁を宥め
指定の時刻に基地司令室に向かった。
司令室までたどり着くと、扉の前で背の高い若い男性隊員とかち合った。
「もしかして手塚一士?」
「そうだけど…あんたは水無月 由美で、後ろにいるのは笠原郁だな」
涼しいを通り越して冷たさそうな雰囲気の手塚は、わずかな視線の運びで由美と郁を品定めしているかのようだった。
「よかったよね、1人じゃなくて!
タスクフォースに選ばれたなんて信じられないよね」
と、郁が同じ階級の気安さで話しかけると、手塚が薄く笑った。
「そうだね、そっちに関しては」
微妙に挑戦的な応対に対して
これは仲良くなれなさそう
と瞬時に察したが
郁はそうではなく。
表情で喧嘩を買おうとしていたので宥めた。
「私はいるよ。
水無月 一等図書士、入ります」
続けて
「手塚一等図書士入ります」
「笠原一等図書士入ります!」
3人並んで一礼し、室内へ。
「あれ!? え、なんで!
おじさんここに!」
と以前小牧から聞いた面白い話を思い出した。
要支援利用者と基地司令を間違えた、ということを。
「笠原郁一等図書士、手塚光一等図書士、水無月 由美図書士を図書特殊部隊に配属す。
推薦者は玄田竜助三等図書監、小牧幹久二等図書正、堂上篤三等図書正」
まさか。
堂上が推薦してくれたとは。
こちらを見ようとはしないが。
「任命者は関東図書基地司令、稲嶺和市」
「手塚光一等図書士、拝命します」
「笠原郁一等図書士、拝命します」
「水無月 由美一等図書士、拝命します」
玄田が3人に向かってニヤリと笑った。
「図書特殊部隊として諸君を歓迎する。励めよ」
「えっ…まさか3人とも…?」
郁は知らないことが多いとは思っていたけどもここまでとは…
流石に手塚ほど態度には示さないが少しひどいなって思ってしまった。
「俺の指導不足は先日の件で思い知った。
これからとことん鍛え直してやる。
もちろん、お前もだ」
「ええ…私も…?」
「当たり前だ。
図書特殊部隊に入ったからには本気でやってもらう」
『本気』
あえてその部分を強く言った堂上。
教官なだけあって由美の性格をわかっている。
前途多難だと先行きはかなりげんなりだった。
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