甘い孤独
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
頭が痛い。
目が覚めて私が最初に思ったのはそれだった。
次に全身のだるさを感じて、しばらくボーッとしてから、ようやく自分が何も着ていないことに思考が行き着く。
寒さを思い出したかのようにふるりと身震いして、ダウンケットの中に深く潜り込む。
昨日はダンデとお酒を飲んで、それから……。
「……私、ダンデと……」
おぼろげながら、覚えてる。
友人として接してきた彼の、初めて見る肢体と表情に、不覚にも胸を弾ませてしまったこと。
最後までしなかったとはいえ、とても気持ちよかったこと。
「(お酒の勢いってこわい……)」
あの堅物で、性的なことに無頓着だったダンデが、ああも欲に濡れた目で私を見るなんて。
それこそ、お酒の力がなければ拝むことはできなかっただろう。
……まぁ、どうせ1度きりなのだろうし、レアな体験ができたということで記憶に残しておこう。
さっきも言ったが、彼は堅物だから、きっと私とあんなことをしたあとで、平気な顔して会えるわけがないと思う。
むしろ、彼とはもう会わなくなるかもしれない。
まだ陽も登っていないのに、ベッドに私ひとり取り残されていることが、なによりの証拠。
「……」
貴重な飲み友達だったのに、惜しいことをしてしまった。
だけど今更後悔しても仕方ない。
まだ痛む頭を抑えて起き上がり、その辺に脱ぎ捨てられた自分のシャツを適当に着る。
全裸にワイシャツという形になったけど、どうせこの家には私しかいないし、別にいいだろう。
とにかくまずはシャワーでも浴びようと思い立って、ふらふらと寝室から出た。
「…………え?」
リビングに出た私の目に映ったものに、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
いや、うそでしょ?
そんなわけがない。
どうして……。
「こんなとこにいるのよ……」
リビングに置いたソファの上で静かに寝息を立てるダンデに、私は頭痛がひどくなるのを感じた。