よろず屋での1件があってから、すっかり天然認定をされた
七子は、そのおかげなのか……聖闘士たちとも話す機会が増えた気がする。もしかしたら、気のせいかもしれないが。
一輝だけは、あいかわらずだ。それでも、まえよりは、態度がやわらかくはなってきている。
もともとものおじしない性格なうえ、言葉はえらぶが、基本的にはすなおな
七子。裏表がないことは、だれが見てもあきらかであった。というか、むずかしいことを考えられるタイプには見えない、というほうがただしいか。
「鍛練もいいですけど、ちゃんと休憩もしてくださいね?」
体がなまるからと、毎日のように刀剣男士にまじって手合わせをしている聖闘士たちにも、お茶とだんごをおく。
このだんごがまたふしぎなもので、1度食べればすぐに疲労が回復してしまうというのだから、未来の食べものはわからない。と、星矢たちは言っていたっけ、と思いながら。
「いっただきまーす!」
「あ、ほら、星矢! ちゃんと手をふいて!」
「んだよー、瞬」
「アルコールティッシュだから、すぐにふけるよ? 瞬の言うとおり」
なんやかんやで、全員にタメ口と呼びすてを許可された
七子は、母のように言う。
「星矢ってば、ほんとにもう、いつまでも子どもなんだから。
七子の言うとおりにしなよ」
「星矢には、母親が2人いるようだな」
「ちょっと待って紫龍、僕はまちがっても、母親にはなれないからね?」
「ははは、たとえだ。そうおこらないでくれ、瞬」
むくれる瞬は、年そうおうに見えて、思わず笑いをこらえる
七子。
「主、政府から手紙がとどいてるぜ?」
「…な、に…? また戦力拡充か、大阪城に行けっていうんじゃ、ないでしょうね…?」
鶴丸の手から手紙を受けとり、中身をかくにんし、ちいさくため息をつく。
「今より、戦力拡充のための戦にでます。これから言う刀剣男士に、ここにくるよう、つたえてください」
鶴丸・燭台切・太郎・次郎・蛍丸・大倶利を呼びつけ、戦力拡充のための戦へと送りだす。最終目的は、ボスがかくし持つという
太鼓鐘貞宗を入手することだ。なんども部隊の入れ替えや休憩、手入れをはさむことになるが、それでもくじけずに進むしかない。
ボス戦も、40回目を数えたとき。本丸のいっかく、顕現した刀剣がまっさきにやってくるはずの、なかにわの鳥居。そこの鈴が、澄んだ音をかなでる。
「待たせたな、みなの衆! なんてな! 俺がうわさの貞ちゃんだぜ!」
太鼓鐘貞宗をおうように、もどってきた伊達の刀たち2人が、太鼓鐘貞宗をかこう。
「貞ちゃん、待ってたんだよ!」
「おう、貞坊! やっときてくれたのか!」
はるかむこうで、今回は出陣していなかった大倶利伽羅が、鼻をならす。
「みっちゃんじゃねーか! 鶴ちゃんに、伽羅ちゃんもいるのか! なーんだ、みんないるのか! うれしーぜ!」
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お題配布元:
淡い夢