「赤澤さん!」
「よお、久々じゃないか、
名無」
私は、
名無名前。中学のときは聖ルドルフで、テニス部のマネージャーをしていた。その関係で、今もテニス部の人たちとは、つながりがある。もちろん、それだけではないのだけれど。
「最近、観月とはどうなんだ?」
「おたがいにいそがしくて、なかなか逢えないんですよ」
そう。私は、観月はじめと付き合っている。それも……中学のときから。
「学生のときみたいに、毎日は逢えないです」
「まあな。だけど、観月なら…浮気の心配もないだろう?」
「ですね」
ちなみに、私とはじめはおさななじみでもある。だから、小さいときから一緒で……付き合うというよりは、小さいころからの延長みたいな感じだ。
「それで…? わざわざ俺を呼びだすなんて…どうしたんだ?」
「あのですね、最近…はじめはテニスをしなくなりました。いそがしいから」
「…あー、俺もやってねーな…」
「それでですね」
数日まえに、ケンカ別れしたまま、気まずかった僕たちだが……とつぜん
名前に呼びだされた。
──まさか、別ればなしじゃ……。
「どうしました、急に呼びだすなんて」
「あの…」
「ひさびさだーね、観月」
「お久しぶりです、観月さん」
「元気そうだな」
なぜか、中学時代のテニス部の仲間が、4人もあつまっている。
「…
名前…これはいったい…」
「最近、体がなまっててな。おまえも、たまにはさびついた体、動かしたくはならないか?」
と、赤澤……元部長が、テニスラケットをわたす。
──ああ、そういうことなんですね。
「
名前、ありがとう」
「…え? 私は別に…」
「いいんですよ。あなたが、彼らに連絡してくれたんでしょう?」
名前を抱きよせて、ひたいにキスを送る。
「愛してますよ、
名前」
「…はじめ…」
「それでははじめましょうか、みなさん。ようしゃはしませんからね、んふっ」
「のぞむとこですよ!」
「だーねー」
──みんな、変わらない。なに1つ、あのころのまま──
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SS5080527