「神の子、神の子って、お前どんだけえらいんだよーーっ!!」
「って、オイ、
名前ーっ!」
「…幸村、
名無行ってしもたが…いいのか、ほうっておいても」
「大丈夫。5分もすればお腹空いてもどってくるから」
俺と
名前が付き合いだしたのは、つい最近。俺が入院しているあいだ、
名前がいろいろと世話をやいてくれた。
おさななじみである
名前を"女の子"として意識しはじめたのは、そんな彼女の優しさに改めて気付いたからだ。
「精市~…おなかすいた~…」
「ほらね」
「え、私の行動お見とおし!?」
「長い付き合いだからね」
もちろん、それだけじゃないけど……それは、
名前にはナイショ。
「なぁ幸村~、俺にも食いモンくれよ~…。はらへって力が出ねえぜぃ…」
「ブンちゃんには、部室におかしがあるでしょ?」
「いや、あれは非常食。しかも今日はもう、ぜんぶ食っちまった」
「は?」
「どんだけーっ」
いつもかばんいっぱいにおかしを詰めてくるブン太。あの量を食べきるとは……さすがというかなんというか……。
「ならば、そのかしを食べたぶんを、へらさなければならんな、丸井」
「げ、真田…」
「たるんどるわっ!!!」
あいかわらずうちの部員は、元気だなぁ。
「なんか、赤也がいないと…少し寂しいね…」
「そうかい? また来年から一所だし、会えなくなったわけじゃないよ。だから俺たちは、今俺たちがすべきこと…後輩にたくすべき栄誉を、守るべきじゃない?」
「…精市は、おとなだね」
「そうかい?」
言いながら、
名前ににじりよる。
「精市…?」
「じゃあ、あとで2人きりになったら…おとなの遊びをしようか」
「えんりょします!」
「逃げられると思うかい?」
冷や汗をかく
名前に、妖しい笑みを返した──。
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これもいつのか忘れましたが、昔のサイトで拍手に使用していたもの
お題配布元
SS2080930