いつもと変わらない街並みに、どこからか、子供たちのはしゃぐ声も聞こえてくる。
クセのある前髪をゆらしながら、やわらかい風が吹いている。それをくすぐったそうにしながら、公園のベンチにいる男性。身長もあるがかなり筋肉質で、日ごろから鍛錬しているのだと、1目でわかる。
男性は平和なものだ……とつぶやき、微笑みながら、空を見上げた。
「シティハンターとしての仕事は減ったけど、それだけ、平和だってことね」
男性に声をかけたのは、すぐそばでハトとたわむれていた女性だ。髪はロングで、ほそすぎずふとすぎない。
「まあな。ただ、借金は増えるな」
「それは、貴方がツケだとかそんなものばかり増やすからです。私は、借金なんていっさいしてないですからね」
「
夕葵ちゃんはしっかり者だかんなー。僕ちゃん、ほんと助かるわー」
「うるさいですよ、この甲斐性なし」
にらみつけられた男性が、いじけてみせる。
「…ぐずん、しどいわ。リョウちゃん泣いちゃうから…」
「勝手に泣いてなさい!」
男性は冴羽リョウ。シティハンターと呼ばれる、裏世界No.1と言われる男である。女性のほうはその相棒で、
名無七子だ。
「頭はいいくせして、金銭面だけはてんでだらしないんだから」
「…あはー…。それも全部、
七子さまがいるから、安心して任せられるんだけどな」
「それって、私がいたほうがダメ人間になるってことじゃないの!」
「…なんでそうなるかな…」
あきれたようにため息をつくと、つづける。
「金銭面はダメかもしれないが、これでも俺は、お前に救われてるんだぜ?」
「…なによ、それ」
「俺の仕事は、いわば殺人だ。…たまには、自分に嫌悪することもある。そんなときにお前が笑いかけてくれたら、それだけで、救われるんだ」
「…リョウ…」
ほんのり頬を染める
七子。
「そういうことだから、これからもよろしく頼みますよ~」
「…しょうがないな、頼まれてあげるわ」
この先なにが待ちうけているのか。まだ未来はわからない。それなら、なにもないことをねがうし、なにがあっても乗り越えたい。乗り越えられない壁でも、2人なら、なんとかなるような気さえしている。……気のせいかもしれないが。
「もっとも、私には他に行く場所もないし…たとえリョウが嫌がっても、ここに居座るけどね!」
「…おま…それはさすがに…。まあ、嫌だと思ったことはないけどな…」
と苦笑うリョウに、
七子は人の悪そうな微笑を返した──。
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ツイッターの診断結果を元に作成。なんだかなー…。
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○○な色でお題バトン110717