私の恋人は、元山賊の朱雀7星士だ。ついこのあいだ、両親にそれがばれて……彼と会わないように言われたっけ。
だけど、山賊なんて言ったって義賊だし、彼自身もすごくいい人だ。だから、私はすこしも気にしていないのにね。
「ねえ翼宿、かけおちしよっか」
「…は?」
「ううん、翼宿、私をさらってよ」
「…いやいやいや。あかんて。親に知られてたら反対されるんなんか、最初からわかりきってたやろ?」
でも、だって。もう2度と会うな、なんて言われるおぼえはないもの。
「せやけど、それとこれとは話がべつや。親に反対されてまで…」
「翼宿は、私と一所にいるのがいやなの?」
「そうは言うてない。ただ…こういうのには順序っちゅーもんが…」
「わかんないよ! 好きか嫌いか、どっちかじゃないの!? もういい、翼宿のいくじなしっ!」
もう、知らない。好きなら、たまのわがままくらい聞いてくれたって、バチはあたらないのに。
「翼宿は、もう私が好きじゃなくなったのかな…」
だけど、それならはっきり言ってほしい。わかれてくれっていうなら、言うとおりにするもの。
「も、やだ…」
はっきりしてくれない人は嫌い。好きか嫌いか、すくなくとも私のなかでは、その2つしかないから。
「翼宿のばかあ…」
「ばかはひどいわ。そらま…自分を悲しませたんは、悪いと思うとるけど…」
「…え、あ…」
翼宿、と呼ぶまえに、そっと抱きしめられた。
「せやけど、俺は…きちんと認めてもらって、堂々と結婚したいねん。反対されてうしろ指さされて、かくれて生きるんは、もうたくさんなんや」
「…じゃあ…」
「俺かて、さっさとおまえと一所になりたいわ。けど…そういうとこはきちんとしとかなあかん」
1つうなずく。
「つらいやろうが、もうすこしがまんしてや…」
「…うん…」
やっぱり私は、この人が好き。もう私には、この人しかいないんだ。
「翼宿、ごめんね? だいすき」
「…お、おう、俺…もや」
はずかしそうに目線をおよがせる翼宿に、笑顔をかえした――。
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短すぎて、すまそ…
そして名前変換ェ…
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お題2120319