私の彼氏……いや、正確には元彼氏、かな。は、宇宙人だった。といっても火星人とかではなくて、太陽系から遠くはなれた"キンモク星"という所からきたんだと、彼は言っていたっけ。
なんにしても、プリンセスという人を探していた彼らは、ある日自分たちの星へと帰って行った。プリンセスが見つかったから。
さみしくないわけではなかったけれど、彼がしあわせになるのであれば、別にそれでよかった。実際にわかれてからは、とてもつらく長い時間だったような気もするが。
「
七子ちゃん!」
「うさぎちゃん?」
「帰ってきたよ!」
「…誰が?」
「スリーライツ!」
みなまで聞かずに、彼らが昔住んでいたマンションへ。と、星野くんが応対してくれて、元彼氏……こと大気光の部屋へ通された。
「…そろそろくるころだと思いました」
「故郷の再生は、もういいの?」
「…ええ。それに、この星に…また危機がせまっているようですしね」
「そう、なんだ」
彼は戦士でもある。だから、地球を守りにきただけみたいだ。
「さみしかったとか、言わないんですか?」
「言ってほしいの? 私がそんな人間じゃないことは、大気だってよく知ってるでしょ?」
「ええ、まあそうですが…かわいげもないですね」
「かわいい子がいいなら、うさぎちゃんや亜美ちゃんに乗り換えたら?」
苦笑いを返す大気に。
「…うそだよ…」
「…え?」
ああ、恥ずかしい……。
「さみしくて、死にたかった。でも、そんなことしても、大気には会えないから…ずっとがまんしてた」
「…かわいいとこ、あるじゃないですか」
「…大気のまえでだけだもん」
「でなきゃこまります」
意外と妬きもち焼きなんだよね、大気。
「おかえり」
「…ただいま」
恥ずかしいなりに精一杯の笑顔を返せば、やさしく抱きしめられる。
「私も…さみしかったんですよ、これでも」
「…うん」
「つぎに故郷に帰るときは、あなたも連れて行きますからね」
「…え」
「…冗談ですよ?」
なんてクスクス笑う大気の、冗談とも本気ともつかないセリフに、私はただ……たかなる自分の心音を聞いていた――。
「大気さん、プロポーズ…ととってもいいんですかね、今のセリフは」
「さあ? どうでしょうかね」
――プロポーズなんだったら、1も2もなくお受けしますけど?
――……え、いいんですか、そんな安請け合いしてしまって。
――いまさら、でしょう? というか、あなたになら着いて行きますとも。
――……っ!
――……お? 星野くんなみに赤くなったね。
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照れる大気が見てみたいw
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