「夜天くーん…っと、やっぱり寝てるか…」
いつも
七子が近づくと嫌そうな顔をする夜天も、寝顔は普通の高校生なわけで。こうやって見ると、中々かわいい。
(だけどまあ、よく寝てるわね…)
授業をサボって昼寝をしなければ、寝る時間もないんだと、夜天が言っていたことを思いだす。
(アイドルもつらいわ)
そっとしておいてはあげたいが、そうも行かないのが、クラス委員のつらいところである。
(でも、それとこれとは話がべつなのよ)
起きて授業にもどってもらわないことには、
七子が非常にこまるのだ。
意を決して思いきって息を吸ったかと思うと、夜天の耳もとによる
零。
「起きろーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!!」
「うわあっっっっ!!??」
びっくりして飛び起きた夜天は、なにが起こったのか、しばらく理解ができなかった。数分間ぼーっとしていたかと思うと、ふいに
七子と瞳がかちあう。
「またおまえかよ!!!!」
「また私だよ! いつまでも寝てないで、授業にもどってください! じゃないと、私が先生におこられるんだから!」
「知らないよ! かってにおこられてればいいだろ! 僕には関係ない」
「うん、そうだね。なら、私も夜天くんのつごうとか関係ないから、強制的に連れて帰るからね!」
「はあ!?」
たしかにまちがってはいないような気もするのだが、それは"へりくつ"というものだ。
「へりくつ女」
「わからんちん」
「…わかったよ! もどればいいんだろ、もどれば!」
「うん。…ありがとう」
「なにが"ありがとう"だよ、まったく…」
文句を言いながらも教室にもどる夜天について、自分も教室へと向かった──。
──あれ、夜天は?
──また、クラス委員さんと"仲良く"いのこりさせられたみたいですよ?
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大気の言う「仲良く」は、いわば皮肉です(^q^)←
お題配布元
お題2110403