「じゃあ蔵馬は、私になにかあってもいいっての!? 妖怪におそわれて、死んでもいいの!?」
「いや、そうは言ってない…。けど、女装だけはいやだよ…オレ…」
……ていうか、幽助が受けた依頼だろ? なんで
七子やオレが、協力する必要があるんだ!
──とは言わず。
「だからね」
ひっしに女装をしろと説得する
七子に、幽助をうらむ。
七子によると、もともとは幽助が、
七子とはめんしきもない人から受けた依頼らしい。
ただ、
七子の大学で起きた事件で、潜入捜査をしたいらしいが……今幽助は用事があって魔界に行っている。
しかも捜査に行きづまったとかで……女子大に潜入捜査を依頼しに、オレを訪ねようとしたみたいだ。
けどまあ、以前オレが女性に間違えられておこったことを知っていたから、こわくて、自分でたのめなかったとか。
「とにかく、いやなものはいや」
「女装してくんないんだったら、わかれるから!」
「はい??」
とっぴょうしのないセリフに、目が点になってしまう。
「う、わ、わかりました! やりますよ、やればいいんでしょう!?」
「よし、言ったな!」
「言いましたよ?」
「二言はないか!」
「男に二言はありません」
「やった!」
七子が着せてくれると言ったが、さすがにことわり……自分で着替え。
着替えた姿を見て、
七子が言う。
「うーん、なんか違和感があるんだよなー…。よし、まつげをカーラーであげて…透明マスカラだ!」
と、顔までいじられる。もういいから、好きにしてくれ……。
「OK! 化粧はしないほうが、蔵馬のもともとのうつくしさが引き立つからね!」
「…ちっともうれしくない」
不機嫌な顔になっているのが、自分でもわかる。
「それじゃあ、レッツ潜入捜査、行ってみよー!」
「……」
「蔵馬、ノリ悪いよ?」
「…当たりまえでしょ…」
うんざりしながら、
七子を見。
「こういうかわいらしい服…あなたに着てもらいたいんですけどね」
ボーイッシュな服装が多いから、あまりフワッとしたスカートなどは、はいたところを見たことがない。
「さ、行こうか!」
「…はぁ…」
オレの話なんか半分しか聞いてないであろう
七子に、だまって着いて行った──。
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かわいい服は美人が着るからかわいいのであって、でぶすが着るとかわいくないのですよね…
美人に生まれなおしたいぜ…
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お題080922