「疑問なんですがセバスチャンさん」
「なんです?」
「悪魔と妖怪と死神と天使なら、1番強いのはどの種族ですか?」
「さあ。私も長いこと生きていますが、天使ならまだしも、死神とはまともにやりあったことはありませんから。もっとも、2度とお会いしたくありませんが」
と、いうことは、だ。
「天使には勝ったことがあるんですか?」
「ええ。死神との闘いには、途中でじゃまが入りましたがね」
「んー、じゃあ、つぎに闘うことになったら…」
「さあ、どうでしょう。苦戦はするでしょうが、勝ちますよ」
笑顔で言うセバスチャンさん。
「ちなみに、妖怪という分類に入るようなかたとは、まだお会いしたことがありません」
「ヴァンパイアとか、妖狐とか、化け猫とか!」
「ないですねえ…。いずれにしても、負けるとは思いませんがね」
セバスチャンさん最強(凶?)伝説!
「じゃあ、もう1つ質問していいですか?」
「なんです?」
「悪魔って、セバスチャンさん以外にも、たくさんいるんですか?」
「さあ。私が知っているのはほんの数人。悪魔は、ほかの悪魔なんかに興味はありませんから。悪魔界に猫がいないのは、たしかですがね」
猫ってふわふわでふにゃふにゃしててやわらかくって、肉球とか最高だもんなー……。
「ぼっちゃんの猫アレルギー、治ればいいのに」
「ええ、ぜひお屋敷で飼いたいですね」
……いっそ猫になれたら、セバスチャンさんにかわいがってもらえるのに。……なんてね。
「それで、
七子。あなたはなぜ、ここにいるのです? たしか私はあなたに、書物庫の整理を命じたはずですが?」
「終わりましたよ? だから、なんかやることないかなーと」
「終わったのなら、きちんと報告をしてください。…まあいい、ちゃんとできてるかかくにんしてきますから、そちらのボウルには触れないでくださいね」
「はーい」
……なんて言われたって、こんなにおいしそうな匂いのするおかしの元だもの、気にはなるよね。
(うう、でもトリプルアイスクリームはいやだ…)
セバスチャンさんのトリプルアイスクリーム、まじ容赦がないから、いたいんだよ……。
「さわってはいけないと言いましたよね?」
「まださわってないですよ! …って、あ」
「まったく。…ああ、整理のほうはきちんとできていました。あれならば、ぼっちゃんも納得でしょう。つぎは、こちらを手つだってもらいます」
「は、はい! がんばります!」
──
悪魔にかなわないものがあるとするならば、その笑顔ですよ、
七子。
Ende. 150311
そもそもセバスチャンが人間を好きになる可能性自体がなさそうだな、とか考えながらも妄想が止まりません…
お題配布元:
流星群