Lilith
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アリエスの離宮の庭が見える木陰でC.C.は友人であるマリアンヌの子、ルルーシュとナナリーの様子を観察していた。
マリアンヌの子らしくその小さな足で庭中を元気いっぱいに駆け回るナナリーに流石、マリアンヌの娘だと微笑みを零し、ナナリーにかなり遅れてふらふらと覚束ない足取りながらも懸命に追いかけるルルーシュにあれはシャルルの息子だと憐れみ半分呆れ半分に表情を苦笑いに変える。
そんな二人の所へと知らぬ娘が駆けてくる。
それはC.C.が把握しているルルーシュやナナリーの腹違いの兄弟姉妹ではなく、ヴィ家の後見貴族の娘でもない。
そんな娘は自分の元へ集まって来たルルーシュとナナリーに二言三言話すと二人はアリエスの離宮に向かって歩いて行った。
気紛れにマリアンヌの子供達を見に来たC.C.は観察対象を失い、仕方なく戻ろうとするのだがそんなC.C.はその場に未だ残っていた少女と目が合ってしまう。
まさかこんな幼い少女に自分は気付かれていたのかと驚き固まってしまうC.C.。
その間にも少女はC.C.と距離を詰め、向かい合う様に立った少女は笑みを浮かべた。
「お客様、お茶会の会場は彼方の離宮のテラスですよ」
幼い少女とは思えない確りとした口調に彼女は最近アリエスに入った行儀見習いの子供かとあたりをつけていたC.C.は脳内でその考えを捨てる。
ますます少女の正体が何者が分からなくなるC.C.は今の自分の状況に気づいて思わず舌打ちをした。
目の前の少女はC.C.を離宮でのお茶会の招待客と思っている様であるが勿論C.C.は招待されていない。
かと言ってそれを否定したり逃げようものなら少女に侵入者と見做され警備の者を呼ばれかねない。
非常に面倒な事になったとC.C.が眉間に皺を寄せて悩んでいる間に少女は頬に手を当てて首を傾げると核心に触れた事を口にする。
「もしかして招待客のお客様ではないのですか?」
「もしそうだと言ったら如何する?」
C.C.はもう開き直り質問を質問で返した。
少女は傾げていた首をまた反対側へと傾げて少し悩んで見せる。
「何もしません。
あ、もしもうお帰りになるのでしたらお見送りさせて下さい」
「私が離宮の者に害為す者だとは思わないのか」
少女の回答に顰めた表情のC.C.。
C.C.の言葉に少女は「まさか」と返す。
「ルルーシュとナナリーを優しい眼差しで見つめる方がこの離宮に悪意を持つ人だとは思いません」
そこまで見られていたのかとC.C.は頭を押さえた。
恥ずかしいやらこんな幼い少女に見つけられた己が情けないやらC.C.は言葉少なく少女に帰ると告げた。
それまでは少女に気づかれた事で頭がいっぱいだったC.C.であるが少女の様子から警備の者を呼ばれる心配もなく余裕の出来たC.C.は目の前の少女の顔に既視感を抱いた。
少女はこのアリエスでは珍しくは無いがこのブリタニアという国では珍しい黒髪を持っていて既視感の正体に先程まで観察していたルルーシュの顔が浮かんだ。
彼と少女はよく似ているがそれよりも似ている人物をC.C.はよく知っている。
「もしかしてお前はマリアンヌの血縁者か」
少女はルルーシュよりもその母親によく似ていた。
瞳こそはルルーシュと同じ深い色合いのロイヤルパープルであるがそれ以外はマリアンヌと同じ。
まるでマリアンヌを幼くした様な姿の少女にC.C.は確信めいたものを抱く。
しかし少女はC.C.の言葉に肯定はせず、逆にマリアンヌとの関係を尋ねてきたのでC.C.は簡潔に「友人だ」と答えた。
すると少女はみるみる内に頬を紅潮させてC.C.を見つめる。
「まあ!まあ!あの子に女友達だなんて!」
「お、おい」
「如何しましょう!如何しましょう!是非とも私とお茶を!ああ、駄目だわ今からお茶会だもの。私だけ別行動なんて出来ない。そうだわ、あの子の友人だもの飛び入りでお茶会に参加すれば良いのよ!」
興奮気味に暫く一人で喋っていた少女は満面の笑みでC.C.を見上げた。
是非とも今から始まるお茶会に、と少女はC.C.を誘うのだがC.C.としては無闇矢鱈に皇族の人間に自身の姿を晒すつもりは無いし何より少女の勢いが怖かった。
本当は何も予定は無いのだが最もらしい言い訳をすると先程までの勢いは何処へやら、萎れた花の様に元気を無くす。
そんな自分より幼い見目の少女が落ち込む様子に罪悪感を覚えたC.C.は後で後悔する羽目になる悪手を犯した。
「今日はこれから忙しいが明日以降なら時間に余裕がある」
「じゃあ、また後日マリアンヌ経由でお茶のお誘いを致しますね」
少し元気を取り戻した少女にC.C.は安堵の息を吐く。
「そら、お前もお茶会に行かなくて良いのか?」
C.C.に促され少女は見るからに慌てた。
簡単な挨拶を交わして走り出した少女は少し離れた先で足を止めると振り向きC.C.に名前を尋ねた。
「私の名前はC.C.だ」
「C.C.さん、また会いましょうね!」
少女はそう言ってC.C.に向かって暫く手を振ると離宮に向かって走って行った。
名前まで名乗ったC.C.であるが少女とまた会う事など無いと思っている。
C.C.とマリアンヌ達の目的の為には余りC.C.の存在やギアスという異能の力が表に出ては困るのだ。
きっと少女が言った通りにマリアンヌ経由でC.C.をお茶に誘えば少女とC.C.の邂逅がマリアンヌからシャルルの耳に入り、シャルルの持つギアスにより少女のC.C.と会った記憶は消されるだろう。
そこまで想像したC.C.はふと少女のマリアンヌに対する呼び方が気になった。
「あの子」と呼んだり「マリアンヌ」と呼び捨てにしたりまるで己がマリアンヌの母なり姉なり目上の者の様な馴れ馴れしさに気になるC.C.であるがどうせもう会わないのだからと深く考える事は止めた。
この時如何にか対処していればと後のC.C.は悔やむのだが少女に会ってしまった後では既に何もかも遅かった。
後日、C.C.の前に現れたマリアンヌは不機嫌だった。
それはもう見るからにで、側を付き添うシャルルはそのマリアンヌの不機嫌な様子に怯えていた。
何故こんなにもマリアンヌは不機嫌なのか分からないC.C.の前に一枚の封筒が差し出される。
「C.C.宛にお茶会の招待状よ」
苛つきを見せるマリアンヌから渡された招待状にC.C.は何故自分に招待状がと怪訝に思いながらの封蝋を切り、中身を確認する。
淡い水色に乙女桔梗が描かれた便箋には簡単な挨拶からこの間の邂逅に触れていて、C.C.は先日出会った少女を思い出す。
そのまま読み進めればC.C.と少女二人っきりのお茶会を開くから是非来てくださいと日付とお茶会を開く場所が書かれていた。
お茶会の日取りは明日の三時、場所はアリエスにあるマリアンヌの私室と書かれている。
最後に書かれた送り主の名前にC.C.はマリアンヌの不機嫌な理由を察した。
流麗な文字で書かれたリリスという名はマリアンヌの育ての親の名前で、C.C.がマリアンヌから耳にたこが出来る程聞かされた名前である。
「C.C.。私、貴女に沢山聞きたい事があるのだけれど」
「私は特に話す事はないぞ!」
C.C.は知っている。
マリアンヌは育ての親であるリリスの事となるとおかしくなる事を、育ての親に抱くには異常な独占欲を持っている事もよくよく知っている。
「貴女に無くても私にはあるのよ。一体何処で如何やってリリスと知り合ったかきっちり話してもらおうかしら」
「おい!シャルル!こいつはお前の妻だろ!如何にかしろ!」
マリアンヌの据わった視線に身の危険を感じたC.C.はシャルルに助けを求めた。
けれどシャルルは顔を青ざめさせてひたすら首を横に振るう。
こうなったマリアンヌがリリスを除いて誰にも止められない事を、ここでC.C.に助け船を出そうものなら恐ろしい目にあう事をシャルルはよく知っている。
役に立たないシャルルにC.C.は見切りをつけ、この場から逃げ出そうとするのだが流石閃光の名で戦場を馳せたマリアンヌである。
瞬く間にC.C.を取り押さえたマリアンヌは薄ら寒い笑みを浮かべて痛くしたりしないから安心なさいと宥める様な事を言うのだがC.C.は全く安心出来ない。
「取り敢えず詳しくじっくりと話しを聞かせてもらうわよ」
「嫌だ!!!」
マリアンヌの子らしくその小さな足で庭中を元気いっぱいに駆け回るナナリーに流石、マリアンヌの娘だと微笑みを零し、ナナリーにかなり遅れてふらふらと覚束ない足取りながらも懸命に追いかけるルルーシュにあれはシャルルの息子だと憐れみ半分呆れ半分に表情を苦笑いに変える。
そんな二人の所へと知らぬ娘が駆けてくる。
それはC.C.が把握しているルルーシュやナナリーの腹違いの兄弟姉妹ではなく、ヴィ家の後見貴族の娘でもない。
そんな娘は自分の元へ集まって来たルルーシュとナナリーに二言三言話すと二人はアリエスの離宮に向かって歩いて行った。
気紛れにマリアンヌの子供達を見に来たC.C.は観察対象を失い、仕方なく戻ろうとするのだがそんなC.C.はその場に未だ残っていた少女と目が合ってしまう。
まさかこんな幼い少女に自分は気付かれていたのかと驚き固まってしまうC.C.。
その間にも少女はC.C.と距離を詰め、向かい合う様に立った少女は笑みを浮かべた。
「お客様、お茶会の会場は彼方の離宮のテラスですよ」
幼い少女とは思えない確りとした口調に彼女は最近アリエスに入った行儀見習いの子供かとあたりをつけていたC.C.は脳内でその考えを捨てる。
ますます少女の正体が何者が分からなくなるC.C.は今の自分の状況に気づいて思わず舌打ちをした。
目の前の少女はC.C.を離宮でのお茶会の招待客と思っている様であるが勿論C.C.は招待されていない。
かと言ってそれを否定したり逃げようものなら少女に侵入者と見做され警備の者を呼ばれかねない。
非常に面倒な事になったとC.C.が眉間に皺を寄せて悩んでいる間に少女は頬に手を当てて首を傾げると核心に触れた事を口にする。
「もしかして招待客のお客様ではないのですか?」
「もしそうだと言ったら如何する?」
C.C.はもう開き直り質問を質問で返した。
少女は傾げていた首をまた反対側へと傾げて少し悩んで見せる。
「何もしません。
あ、もしもうお帰りになるのでしたらお見送りさせて下さい」
「私が離宮の者に害為す者だとは思わないのか」
少女の回答に顰めた表情のC.C.。
C.C.の言葉に少女は「まさか」と返す。
「ルルーシュとナナリーを優しい眼差しで見つめる方がこの離宮に悪意を持つ人だとは思いません」
そこまで見られていたのかとC.C.は頭を押さえた。
恥ずかしいやらこんな幼い少女に見つけられた己が情けないやらC.C.は言葉少なく少女に帰ると告げた。
それまでは少女に気づかれた事で頭がいっぱいだったC.C.であるが少女の様子から警備の者を呼ばれる心配もなく余裕の出来たC.C.は目の前の少女の顔に既視感を抱いた。
少女はこのアリエスでは珍しくは無いがこのブリタニアという国では珍しい黒髪を持っていて既視感の正体に先程まで観察していたルルーシュの顔が浮かんだ。
彼と少女はよく似ているがそれよりも似ている人物をC.C.はよく知っている。
「もしかしてお前はマリアンヌの血縁者か」
少女はルルーシュよりもその母親によく似ていた。
瞳こそはルルーシュと同じ深い色合いのロイヤルパープルであるがそれ以外はマリアンヌと同じ。
まるでマリアンヌを幼くした様な姿の少女にC.C.は確信めいたものを抱く。
しかし少女はC.C.の言葉に肯定はせず、逆にマリアンヌとの関係を尋ねてきたのでC.C.は簡潔に「友人だ」と答えた。
すると少女はみるみる内に頬を紅潮させてC.C.を見つめる。
「まあ!まあ!あの子に女友達だなんて!」
「お、おい」
「如何しましょう!如何しましょう!是非とも私とお茶を!ああ、駄目だわ今からお茶会だもの。私だけ別行動なんて出来ない。そうだわ、あの子の友人だもの飛び入りでお茶会に参加すれば良いのよ!」
興奮気味に暫く一人で喋っていた少女は満面の笑みでC.C.を見上げた。
是非とも今から始まるお茶会に、と少女はC.C.を誘うのだがC.C.としては無闇矢鱈に皇族の人間に自身の姿を晒すつもりは無いし何より少女の勢いが怖かった。
本当は何も予定は無いのだが最もらしい言い訳をすると先程までの勢いは何処へやら、萎れた花の様に元気を無くす。
そんな自分より幼い見目の少女が落ち込む様子に罪悪感を覚えたC.C.は後で後悔する羽目になる悪手を犯した。
「今日はこれから忙しいが明日以降なら時間に余裕がある」
「じゃあ、また後日マリアンヌ経由でお茶のお誘いを致しますね」
少し元気を取り戻した少女にC.C.は安堵の息を吐く。
「そら、お前もお茶会に行かなくて良いのか?」
C.C.に促され少女は見るからに慌てた。
簡単な挨拶を交わして走り出した少女は少し離れた先で足を止めると振り向きC.C.に名前を尋ねた。
「私の名前はC.C.だ」
「C.C.さん、また会いましょうね!」
少女はそう言ってC.C.に向かって暫く手を振ると離宮に向かって走って行った。
名前まで名乗ったC.C.であるが少女とまた会う事など無いと思っている。
C.C.とマリアンヌ達の目的の為には余りC.C.の存在やギアスという異能の力が表に出ては困るのだ。
きっと少女が言った通りにマリアンヌ経由でC.C.をお茶に誘えば少女とC.C.の邂逅がマリアンヌからシャルルの耳に入り、シャルルの持つギアスにより少女のC.C.と会った記憶は消されるだろう。
そこまで想像したC.C.はふと少女のマリアンヌに対する呼び方が気になった。
「あの子」と呼んだり「マリアンヌ」と呼び捨てにしたりまるで己がマリアンヌの母なり姉なり目上の者の様な馴れ馴れしさに気になるC.C.であるがどうせもう会わないのだからと深く考える事は止めた。
この時如何にか対処していればと後のC.C.は悔やむのだが少女に会ってしまった後では既に何もかも遅かった。
後日、C.C.の前に現れたマリアンヌは不機嫌だった。
それはもう見るからにで、側を付き添うシャルルはそのマリアンヌの不機嫌な様子に怯えていた。
何故こんなにもマリアンヌは不機嫌なのか分からないC.C.の前に一枚の封筒が差し出される。
「C.C.宛にお茶会の招待状よ」
苛つきを見せるマリアンヌから渡された招待状にC.C.は何故自分に招待状がと怪訝に思いながらの封蝋を切り、中身を確認する。
淡い水色に乙女桔梗が描かれた便箋には簡単な挨拶からこの間の邂逅に触れていて、C.C.は先日出会った少女を思い出す。
そのまま読み進めればC.C.と少女二人っきりのお茶会を開くから是非来てくださいと日付とお茶会を開く場所が書かれていた。
お茶会の日取りは明日の三時、場所はアリエスにあるマリアンヌの私室と書かれている。
最後に書かれた送り主の名前にC.C.はマリアンヌの不機嫌な理由を察した。
流麗な文字で書かれたリリスという名はマリアンヌの育ての親の名前で、C.C.がマリアンヌから耳にたこが出来る程聞かされた名前である。
「C.C.。私、貴女に沢山聞きたい事があるのだけれど」
「私は特に話す事はないぞ!」
C.C.は知っている。
マリアンヌは育ての親であるリリスの事となるとおかしくなる事を、育ての親に抱くには異常な独占欲を持っている事もよくよく知っている。
「貴女に無くても私にはあるのよ。一体何処で如何やってリリスと知り合ったかきっちり話してもらおうかしら」
「おい!シャルル!こいつはお前の妻だろ!如何にかしろ!」
マリアンヌの据わった視線に身の危険を感じたC.C.はシャルルに助けを求めた。
けれどシャルルは顔を青ざめさせてひたすら首を横に振るう。
こうなったマリアンヌがリリスを除いて誰にも止められない事を、ここでC.C.に助け船を出そうものなら恐ろしい目にあう事をシャルルはよく知っている。
役に立たないシャルルにC.C.は見切りをつけ、この場から逃げ出そうとするのだが流石閃光の名で戦場を馳せたマリアンヌである。
瞬く間にC.C.を取り押さえたマリアンヌは薄ら寒い笑みを浮かべて痛くしたりしないから安心なさいと宥める様な事を言うのだがC.C.は全く安心出来ない。
「取り敢えず詳しくじっくりと話しを聞かせてもらうわよ」
「嫌だ!!!」
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