虎娘が召喚されまして
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連日の鬼周回に疲れていた孔明はぐっすりと眠っていた。
廊下からの騒ぎをサーヴァントに憑依された事で強化された聴覚が捉えていたが招集をされた訳ではなく、兎に角疲れていた孔明は構わず眠っていた。
真夜中だと言うのに部屋に響くドアチャイムの音に再度目を覚ましたが緊急ならば支給された端末から招集されるだろうしよっぽどならば放送が入るだろう。
そうではない真夜中の訪問者はきっと酔っぱらったサーヴァントの誰かの違いないと適当なあたりを付けて孔明は居留守を決め込んだ。
しかしドアチャイムを何度か無視を決め込むも扉の前から人の気配は消えず一体何なのかと眉間に一本の皺を刻んだ所でロックしていた扉はまるで初めからかかっていなかったかの様に自然に開いた。
「やっぱり孔明起きてた!」
思わず今の時刻を確認したくなる程まるで日中の訪問でもしてきたかの様な様子で部屋に入って来た藤丸にマシュ、その側には見知らぬ金髪の少女がじっと孔明を見つめている。
孔明はベッド側の棚から眼鏡を探したが自身の今の姿はかつての若い少年時代の姿と言う事を思い出し、眼鏡を探すのを辞めてベッドから起き上がった。
藤丸達の真夜中の訪問に孔明は今が何時か嫌味で尋ねるが藤丸はそんな事よりと話を流すので孔明の眉間には2本目の皺が刻まれる。
「このカルデアに孔明の娘さんが来てくれたんだよ」
じゃっじゃーんとでも効果音が付きそうな感じに前に出されたのはマシュの隣にいた金髪の少女であった。
孔明の娘と言われても憑代であるエルメロイII世は勿論、諸葛孔明の記憶にも目の前の少女に覚えは無かった。
そもそも
「藤丸、この前の講習で説明した筈だけど諸葛孔明の妻は赤髪であって金髪じゃないぞ」
孔明と呂布。
同じ三国志出典である為つい先日行われた藤丸の勉強会で孔明は講師として三国志について説明していた。
大まかな話と孔明と呂布を取り巻く登場人物を説明していく中で同じく勉強会に生徒として参加していたマシュが「孔明の嫁選び」について尋ねた。
黒髪色白が美人の条件とした当時の美醜観を説明した上で諸葛孔明が娶ったのは赤髪に色黒の妻で、周囲の人間はこれを笑って「孔明の嫁選びを真似てはいけない」と囃し立て戒めとして「孔明の嫁選び」という話が後世まで残った事を説明をした。
その勉強会を思い出したのだろう藤丸自身もおかしな事に気付いて孔明と少女を交互に見比べる。
そこへマシュが桃乃が養子である可能性を尋ねるが孔明は益々怪訝な顔をした。
諸葛孔明の記憶で金髪の養女等覚えが無いのである。
「お前は、一体誰だ」
警戒心が包み隠されない孔明の言葉に少女はにっこり笑った。
「誰って孔明様の娘だよ?」