パンにスープ、後おかずが何品目も・・・大きな机を着実に埋めていく料理にロマーノとヴェネチアーノは心を踊らせる。

｢凄い！凄い！｣と飛び跳ねるヴェネチアーノ。

美味しそうな料理の香りに喉を鳴らすロマーノ。


｢凄いです！今日は何かお祝いでもあるんですか？｣

｢お祝いは・・・無いですよ｣

｢じゃあお祝いじゃない何かがあるのか？この料理誰かの好物ばっかりじゃねぇか｣

パスタにピッツア、ポトフにお刺身、デザートのチュロス
その他もろともロマーノの言うとうりどの料理も誰かの好物ばかり。

｢偶々だよ｣

そう言ってまた一品机に置かれた料理もヴェネチアーノの好物である。
ヴェネチアーノは純粋に好物ばかりが並ぶ机に喜んではいるがロマーノは何か疑いをかけるかの様にリンネを見る。

｢そんな目で見なくても別に肥らせて食べようなんて考えてないよ？｣

料理を作る手を止めてロマーノの頭を撫でる。
じっとリンネを見つめるロマーノは口を開いた。

｢・・・ゃあ、｣

｢？｣

｢じゃあ、何でそんなに悲しそうな顔をして飯を作ってんだよコノヤロウー｣

ロマーノの言葉にリンネは指で顔に触れる。

｢そんなに悲しそうな顔をしてる？｣

実感がないだけにリンネは驚いていた。
ロマーノは睨む様な厳しい視線で頷く。

｢じゃあ、笑わなくちゃね｣

リンネはぎゅっと頬を掴み、笑う顔を作る。

｢久しぶりに皆で揃っての食事だもの

さ、ロマーノ君も笑って！｣

伸びてくる手をロマーノは上手にかわす。
右に左、前に後ろとランダムに伸ばすもそれを先読みしているかの如くロマーノはリンネの伸ばす手から逃れる。
端から見たら二人はただじゃれている様でその様子をヴェネチアーノはちゃっかりと盗んだチュロス片手に眺めていた。

｢ん～美味しいなぁ
お兄ちゃんとリンネお姉さんも仲良いしご飯は好きなものばっかだし

ボク、何だか幸せ～な気分！｣

｢ただいま～｣

｢むっちゃ腹が減ったわー｣

｢おーいじいちゃんが帰ったぞぉ｣

｢あ！お帰りなさーい｣
















晩餐の始まり。

(さあ、手を合わせて晩餐の準備を)