キミと行く。
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私は何をしているのだろうか。
自分の我が儘で周りを困らせて、今も目の前に座る仮面の人に迷惑かけている。
分かっているのに止まらない。
寂しいのだとリンネは呟く。
今まで一緒にいたから寂しいのだと
「・・・どうして急に」
「この国がもうもたねぇからさ」
ぐずぐすと涙腺と共に緩んだ鼻を啜った。
「もたないってこの大秦が?」
「ああ、やっぱりお嬢ちゃんは東出身か腕掴んだ時にそうかと思ったが」
リンネが発した"大秦"という言葉に男は反応する。
まるで話しでもはぐらかすかのように東の話を持ち出す。
「東から来たんだ。砂漠はキツかっただろぃ」
「はい日差しがキツくて。後、何度か騎馬民族にも襲われたりしました。
・・・じゃなくて!」
話が変わりかけたところ、リンネは無理矢理戻した。
「大秦が終わると言いたいんですか?」
「そうでぃ」
呟く様に答えた男はあそこを見ろと柱の影から給仕や家臣に囲まれた少年を指差す。
「あの子・・・あの方は皇帝さんですよね」
「公式上はな」
公式上?とリンネは頭を傾げる。
「そのままんまの意味だ。実際に政治を行っているのは側に立つ父親でぃ」
「傀儡政治」
「お、嬢ちゃんは難しい言葉知ってるなぁ」
と、男はその大きな手でリンネの頭を撫でた。
思い出す。耀も傀儡政治だ暴動だと何度も名前を変えていた。
じゃあ、と
「もたないと言うのは名前が変わるという事ですか?」
きっとそうだ。
国が死ぬ等
なら、耀はもう死んでいるではないかと少し希望が見える。
だが、男はリンネの心の内を読むように首を横に振った。
「あんたは東出身だ。きっとあの仙人と国が同じだと考えているかもしれねぇ
だがな、ローマ帝国はこのままだと確実に
死ぬ」
「死なない」
「嬢ちゃん、」
「国は死なないもん!!」
リンネの大きな声に柱の向こう、会場の方から気配を感じ男は慌ててリンネの口を押さえる。
『・・・あれぇ?』
『どうした?』
『いや、声が聞こえたんだが』
太い男の声だ。
見廻りの男の声だろう。
『誰もいないじゃないか』
『おかしいな』
行くぞ、という仲間の言葉に背後からの気配が遠ざかっていく。
男は安堵の息を吐いた。
気付けば感情的なのか苦しいのか涙を浮かべるリンネが腕の中で口を塞ぐ手を何とか外そうと暴れている。
「こりゃすまねぇ」
慌てて手を離せばリンネは息を吸っては吐いての動作を繰り返す。
どうやら先程見えた涙は息が苦しかったからの様だ。
「大丈夫か?」
尋ねればちょうど薄絹のストールが落ちた。
リンネの顔が青ざめている。
「死なない筈だもん。耀さんは国が滅んでも名前が変わるだけで生きてる」
"耀さん"が男には分からないが国が滅んでも死なない仙人の様な男は一人知っていた。
「国が滅べば"国"は死ぬ。それが"国"だ。
死なない"国"はいない
"国"は不老不死なんかじゃねぇんだ」
「でも、でも、」
ボロボロと涙が零れる。
「この国はもう終わりなんだぃ」
男の言葉に嗚咽を漏らすリンネ。
そんなリンネに腕を伸ばし抱き締めた。
終わるんです。
(泣きそうな顔は似合わねぇって自分で言ったのに泣かしてどうするんだ)
自分の我が儘で周りを困らせて、今も目の前に座る仮面の人に迷惑かけている。
分かっているのに止まらない。
寂しいのだとリンネは呟く。
今まで一緒にいたから寂しいのだと
「・・・どうして急に」
「この国がもうもたねぇからさ」
ぐずぐすと涙腺と共に緩んだ鼻を啜った。
「もたないってこの大秦が?」
「ああ、やっぱりお嬢ちゃんは東出身か腕掴んだ時にそうかと思ったが」
リンネが発した"大秦"という言葉に男は反応する。
まるで話しでもはぐらかすかのように東の話を持ち出す。
「東から来たんだ。砂漠はキツかっただろぃ」
「はい日差しがキツくて。後、何度か騎馬民族にも襲われたりしました。
・・・じゃなくて!」
話が変わりかけたところ、リンネは無理矢理戻した。
「大秦が終わると言いたいんですか?」
「そうでぃ」
呟く様に答えた男はあそこを見ろと柱の影から給仕や家臣に囲まれた少年を指差す。
「あの子・・・あの方は皇帝さんですよね」
「公式上はな」
公式上?とリンネは頭を傾げる。
「そのままんまの意味だ。実際に政治を行っているのは側に立つ父親でぃ」
「傀儡政治」
「お、嬢ちゃんは難しい言葉知ってるなぁ」
と、男はその大きな手でリンネの頭を撫でた。
思い出す。耀も傀儡政治だ暴動だと何度も名前を変えていた。
じゃあ、と
「もたないと言うのは名前が変わるという事ですか?」
きっとそうだ。
国が死ぬ等
なら、耀はもう死んでいるではないかと少し希望が見える。
だが、男はリンネの心の内を読むように首を横に振った。
「あんたは東出身だ。きっとあの仙人と国が同じだと考えているかもしれねぇ
だがな、ローマ帝国はこのままだと確実に
死ぬ」
「死なない」
「嬢ちゃん、」
「国は死なないもん!!」
リンネの大きな声に柱の向こう、会場の方から気配を感じ男は慌ててリンネの口を押さえる。
『・・・あれぇ?』
『どうした?』
『いや、声が聞こえたんだが』
太い男の声だ。
見廻りの男の声だろう。
『誰もいないじゃないか』
『おかしいな』
行くぞ、という仲間の言葉に背後からの気配が遠ざかっていく。
男は安堵の息を吐いた。
気付けば感情的なのか苦しいのか涙を浮かべるリンネが腕の中で口を塞ぐ手を何とか外そうと暴れている。
「こりゃすまねぇ」
慌てて手を離せばリンネは息を吸っては吐いての動作を繰り返す。
どうやら先程見えた涙は息が苦しかったからの様だ。
「大丈夫か?」
尋ねればちょうど薄絹のストールが落ちた。
リンネの顔が青ざめている。
「死なない筈だもん。耀さんは国が滅んでも名前が変わるだけで生きてる」
"耀さん"が男には分からないが国が滅んでも死なない仙人の様な男は一人知っていた。
「国が滅べば"国"は死ぬ。それが"国"だ。
死なない"国"はいない
"国"は不老不死なんかじゃねぇんだ」
「でも、でも、」
ボロボロと涙が零れる。
「この国はもう終わりなんだぃ」
男の言葉に嗚咽を漏らすリンネ。
そんなリンネに腕を伸ばし抱き締めた。
終わるんです。
(泣きそうな顔は似合わねぇって自分で言ったのに泣かしてどうするんだ)