キミと行く。
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一人歩いていると給仕の女性や兵士が「どこか気分でも?」「大丈夫ですか」と声を掛けてくれる。
だが、リンネには誰の声も頭に入らずふらふらと広い会場を歩いていた。
自前の髪が揺れて、微弱ながら風を感じ、見れば柱と柱の間から夜の闇が見えている。
リンネはふらふらとそこへ向かって歩いていった。
濃紺の闇に点々と列なる銀の星。
屋敷の窓から見るのとは違う星空にいつもなら感動でもして一人で騒いでいるのだが、そんな気分にもなれなかった。
「フランスさんもスペインさんもいなくなる・・・」
ずるずると柱に凭れ、床へと座る。
フランスとスペインがいなくなる事にリンネは酷く困惑していた。
どうして、
何て訊いても仕方がない。彼らは国なのだ。
彼らには国としての責務があるのだ。
それは分かっている。
リンネは分かっているのだが
「今泣くと、せっかくの綺麗な顔が台無しになってしやいますぜ」
「ふえ?」と顔を上げれば見覚えのある顔、ではなく仮面。
「さっきの仮面の人」
リンネは勢いよく立ち上がると仮面の男に頭を下げた。
「さっきはありがとうございました」
「別に良い、気にすんなってんでい。俺が勝手にした事なんだ」
「でも、本当に助かりました。貴方が助けてくれなかったら私、どうなってたのか」
「良いって言ってんだろい。目の前で女が困ってんだ、それを助けるのは男の役目ってもんだ」
な!と笑顔を向けて肩を叩く男。
その男にリンネは少し恥ずかしげに微笑んだ。
「そうだ。私、恩人さんの名前知りません・・・教えてくれますか?」
「あー・・・名前な。名前、名前なぁ」
ガシガシと頭を掻く男。
名前、と聞かれ苦笑いをする男。
「・・・貴方も"国"の方ですか?」
仮面の奥の瞳が酷く驚いているように見えた。
貴方は貴方は
(どちら様?)
だが、リンネには誰の声も頭に入らずふらふらと広い会場を歩いていた。
自前の髪が揺れて、微弱ながら風を感じ、見れば柱と柱の間から夜の闇が見えている。
リンネはふらふらとそこへ向かって歩いていった。
濃紺の闇に点々と列なる銀の星。
屋敷の窓から見るのとは違う星空にいつもなら感動でもして一人で騒いでいるのだが、そんな気分にもなれなかった。
「フランスさんもスペインさんもいなくなる・・・」
ずるずると柱に凭れ、床へと座る。
フランスとスペインがいなくなる事にリンネは酷く困惑していた。
どうして、
何て訊いても仕方がない。彼らは国なのだ。
彼らには国としての責務があるのだ。
それは分かっている。
リンネは分かっているのだが
「今泣くと、せっかくの綺麗な顔が台無しになってしやいますぜ」
「ふえ?」と顔を上げれば見覚えのある顔、ではなく仮面。
「さっきの仮面の人」
リンネは勢いよく立ち上がると仮面の男に頭を下げた。
「さっきはありがとうございました」
「別に良い、気にすんなってんでい。俺が勝手にした事なんだ」
「でも、本当に助かりました。貴方が助けてくれなかったら私、どうなってたのか」
「良いって言ってんだろい。目の前で女が困ってんだ、それを助けるのは男の役目ってもんだ」
な!と笑顔を向けて肩を叩く男。
その男にリンネは少し恥ずかしげに微笑んだ。
「そうだ。私、恩人さんの名前知りません・・・教えてくれますか?」
「あー・・・名前な。名前、名前なぁ」
ガシガシと頭を掻く男。
名前、と聞かれ苦笑いをする男。
「・・・貴方も"国"の方ですか?」
仮面の奥の瞳が酷く驚いているように見えた。
貴方は貴方は
(どちら様?)