キミと行く。
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ローマさんから鍵の束を貰った。
というより、鍵を預けられたが正しいかもしれない。
その日は半月ぶりにローマが帰ってくる日だった。
イタリア兄弟は久し振りにローマと会える事にそわそわしていて、フランスとスペインはローマが持ってくるであろう土産を楽しみにしていた。
リンネも久し振りに会う家主に美味しい物を食べさせ様と朝から張り切っていて、屋敷の中は誰もが落ち着きのない様子。
「お爺ちゃんいつ帰ってくるの?」
ヴェネチアーノはローマの帰りが待ちきれないようで、リンネにもう帰ってくる?と尋ねる。
ローマが送った伝言の者は夕方にはつくだろうと話していた。
「夜にはつくだろうからもうちょっと待とうね」
「はーい」
元気の良い返事をしてヴェネチアーノは兄の元へと走っていく。
夜には着いてくれるだろうと思っていた。
「じいさん遅いね」
机に肘を付き、フランスは呟く。
夕方には帰ると言っていたローマは夜になっても帰って来なかった。
月は空のてっぺんに登っていて、日付ももう変わっているだろう。
帰って来ないローマに一番帰りを待っていたヴェネチアーノは泣いてしまった。
それにつられてロマーノもぐずりだし、今はスペインが寝かしつけている。
「あのじいさん絶対街で女のお尻を追い掛けてるよ」
自信を持って言うフランスの言葉にリンネも思わず同意してしまう。
「でも、ヴェネチアーノちゃんやロマーノ君もいるしもう少し早く帰って来ると思ったんだけど」
「俺はもう寝るよ」
ふわっとフランスは眠そうに欠伸をする。
「リンネお姉さんはどこで寝るの?ベッドはちび達に占領されてるんじゃない」
そう言えば、と思い出す。
ぐずり泣き出した二人をリンネは自分の部屋に案内した。
リンネのベッドに入ってうとうとし始めた兄弟を見とくわ!と張り切ったスペインは戻ってくる様子もない。
きっとスペインも自分のベッドで寝ているのだろうなと思った。
「あの、俺もリンネお姉さんの・・・」
「ベッド使って良いよ。私もまた後でいくかもしれないけど」
それでもいいならね、と微笑みリンネはフランスの前髪をかきあげ、額にキスをした。
「フランスさんおやすみ」
「・・・おやすみ」
それ程まで眠かったのか、フランスはふらふらと部屋を出ていく。
リンネはフランスの背中が見えなくなるまで見送り、息を吐いた。
「ローマさん遅い」
仕事だからしょうがないと思うのだが、久し振りに会えるという期待があったせいで焦れていた。
「ローマさんに会いたい」
「リンネにそこまで言わせるんだから俺もまだまだ現役でいけるな」
背後からの声にリンネは目を丸くさせ、勢いよく振り向いた。
裏口で手にはいっぱいの荷物を持った男。
「ローマ、さん?」
「久し振りだな」
余程腹が減っていたのか、用意しておいた料理を片っ端から平らげていくローマに驚きながら、リンネは空になったら杯に酒を注いだ。
それを机に置くとローマはすかさず杯を手にとり、口に詰まった食べ物を胃へと流す。
「いや~悪かったな。夕方には帰るって言ったのに結局、夜中になっちまった」
「お仕事なら仕方ありませんよ」
「ちび達にも会いたかったんだけどなぁ」
「寝顔だけでも見てきてはどうですか?」
リンネの提案にそうだな、とローマは思案する。
「止めとくは明日から当分は休みだし、それに」
「それに?」
言葉を止めたローマにリンネは尋ねた。
だが、ローマは何でもないと答えると、話を変えるためか懐から何かを取り出す。
「リンネもここに来て結構経つし、俺より必要になるだろうから持っといてくれ」
そう言って机に置かれたのは金色の
「鍵・・・?」
なのか、とリンネは尋ねると逆にローマから「じゃあ何に見えるんだ」と尋ねられてしまう。
耀と住んでいた時に見た物とは違う形の鍵にリンネは頭を傾げる。
「また仕事が始まったら帰れないしなぁ
ちび達も食い盛りだからすぐに食材がなくなるだろ?だからって屋敷開けっ放しも無用心だしな」
「・・・私が持ってて良いんですか?」
「持っといてほしいから渡したんだろ」
この屋敷とちび達を頼んだ、と言われた。
頼まれてしまってはローマはもっと帰ってこなくなるのだろう。
見えない場所に傷を作り、彼のではない血の匂いを纏うのか。
ローマはにかっと笑っている。
リンネは
「責任を持って預からさせていただきます」
としか言えなかった。
鍵。
(預かってすぐに後悔した私)
というより、鍵を預けられたが正しいかもしれない。
その日は半月ぶりにローマが帰ってくる日だった。
イタリア兄弟は久し振りにローマと会える事にそわそわしていて、フランスとスペインはローマが持ってくるであろう土産を楽しみにしていた。
リンネも久し振りに会う家主に美味しい物を食べさせ様と朝から張り切っていて、屋敷の中は誰もが落ち着きのない様子。
「お爺ちゃんいつ帰ってくるの?」
ヴェネチアーノはローマの帰りが待ちきれないようで、リンネにもう帰ってくる?と尋ねる。
ローマが送った伝言の者は夕方にはつくだろうと話していた。
「夜にはつくだろうからもうちょっと待とうね」
「はーい」
元気の良い返事をしてヴェネチアーノは兄の元へと走っていく。
夜には着いてくれるだろうと思っていた。
「じいさん遅いね」
机に肘を付き、フランスは呟く。
夕方には帰ると言っていたローマは夜になっても帰って来なかった。
月は空のてっぺんに登っていて、日付ももう変わっているだろう。
帰って来ないローマに一番帰りを待っていたヴェネチアーノは泣いてしまった。
それにつられてロマーノもぐずりだし、今はスペインが寝かしつけている。
「あのじいさん絶対街で女のお尻を追い掛けてるよ」
自信を持って言うフランスの言葉にリンネも思わず同意してしまう。
「でも、ヴェネチアーノちゃんやロマーノ君もいるしもう少し早く帰って来ると思ったんだけど」
「俺はもう寝るよ」
ふわっとフランスは眠そうに欠伸をする。
「リンネお姉さんはどこで寝るの?ベッドはちび達に占領されてるんじゃない」
そう言えば、と思い出す。
ぐずり泣き出した二人をリンネは自分の部屋に案内した。
リンネのベッドに入ってうとうとし始めた兄弟を見とくわ!と張り切ったスペインは戻ってくる様子もない。
きっとスペインも自分のベッドで寝ているのだろうなと思った。
「あの、俺もリンネお姉さんの・・・」
「ベッド使って良いよ。私もまた後でいくかもしれないけど」
それでもいいならね、と微笑みリンネはフランスの前髪をかきあげ、額にキスをした。
「フランスさんおやすみ」
「・・・おやすみ」
それ程まで眠かったのか、フランスはふらふらと部屋を出ていく。
リンネはフランスの背中が見えなくなるまで見送り、息を吐いた。
「ローマさん遅い」
仕事だからしょうがないと思うのだが、久し振りに会えるという期待があったせいで焦れていた。
「ローマさんに会いたい」
「リンネにそこまで言わせるんだから俺もまだまだ現役でいけるな」
背後からの声にリンネは目を丸くさせ、勢いよく振り向いた。
裏口で手にはいっぱいの荷物を持った男。
「ローマ、さん?」
「久し振りだな」
余程腹が減っていたのか、用意しておいた料理を片っ端から平らげていくローマに驚きながら、リンネは空になったら杯に酒を注いだ。
それを机に置くとローマはすかさず杯を手にとり、口に詰まった食べ物を胃へと流す。
「いや~悪かったな。夕方には帰るって言ったのに結局、夜中になっちまった」
「お仕事なら仕方ありませんよ」
「ちび達にも会いたかったんだけどなぁ」
「寝顔だけでも見てきてはどうですか?」
リンネの提案にそうだな、とローマは思案する。
「止めとくは明日から当分は休みだし、それに」
「それに?」
言葉を止めたローマにリンネは尋ねた。
だが、ローマは何でもないと答えると、話を変えるためか懐から何かを取り出す。
「リンネもここに来て結構経つし、俺より必要になるだろうから持っといてくれ」
そう言って机に置かれたのは金色の
「鍵・・・?」
なのか、とリンネは尋ねると逆にローマから「じゃあ何に見えるんだ」と尋ねられてしまう。
耀と住んでいた時に見た物とは違う形の鍵にリンネは頭を傾げる。
「また仕事が始まったら帰れないしなぁ
ちび達も食い盛りだからすぐに食材がなくなるだろ?だからって屋敷開けっ放しも無用心だしな」
「・・・私が持ってて良いんですか?」
「持っといてほしいから渡したんだろ」
この屋敷とちび達を頼んだ、と言われた。
頼まれてしまってはローマはもっと帰ってこなくなるのだろう。
見えない場所に傷を作り、彼のではない血の匂いを纏うのか。
ローマはにかっと笑っている。
リンネは
「責任を持って預からさせていただきます」
としか言えなかった。
鍵。
(預かってすぐに後悔した私)