キミと行く。
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「お風呂ですか?」
聞き返すリンネにローマは「ああ」と頷き笑う。
「上司に頼んでな、公共の浴場を借りたんだ
リンネ好きだろ?風呂」
「はい!大好きです!」
リンネはキラキラと瞳を輝かせ答える。
フランスやスペインが「あーあ」と言っているのにも気付かず。
じゃあ決まりだな、とローマは言った。
久しぶりにというよりも初めてに近く、リンネは街に出た。
賑やかな街にリンネは右に左、また右と忙しなく街の様子を眺める。
その様子にローマはリンネの手を握った。
「何か今日のリンネはいつもと違うな。この様子だと一番迷子になるかもな」
はははと大笑いするローマ。
ふと下から視線を感じる。
「ん?ヴェネチアーノどうしたーそんな物欲しそうな顔して」
歩きながらもじっと繋いだ手を見つめるヴェネチアーノに、ローマはこれか?と繋いだ手を持ち上げた。
すると上がった手をヴェネチアーノの瞳が追いかけ上へと視線が上がる。
「ヴェネチアーノも手を繋ぎたいのか?」
「はい!です」
元気に答えるヴェネチアーノにローマはしょうがねぇなぁと手を出すと、ヴェネチアーノは首を横に振り言った。
「おじいちゃんとじゃなくてリンネお姉さんと手を繋ぎたいです」
残酷な天使だと、スペイン、フランスが思う。
ローマはショックのあまり固まって、その間に天使はリンネの隣を確保して手を繋いだ。
「お手て繋ぐの良いですね~」
「そうだね」
ほのぼのとした雰囲気の隣でじめじめとした雰囲気が淀めく。
大帝国はうるりと目を濡らし、もう一人の孫を見る。
「ロマーノ・・・」
「ヴェネチアーノ自分だけずりぃぞ!」
ぶちりと手を繋ぐリンネとローマの手を外しリンネと手を繋ぐロマーノ。
「弟が天使なら兄は悪魔か」
「結構無理やりやな」
後ろから兄弟の様子を見ていたスペインをロマーノが呼ぶ。
「今日は手繋いでやるよ」
手を出し恥ずかしげに言うロマーノにスペインは顔を輝かす。
「ほんまに?ほんまに?」
「繋いでやるっていってるだろ」
スペインはロマーノの小さな手を繋ぎ幸せそうな顔をして「親分幸せやわ~」と呟いた。
「・・・」
「・・・フランス~」
にっこりと笑うローマと目が合う。
「お前も省かれちゃあ寂しいだろ?」
あ、やばいと本能が言っている。
フランスはすぐさまローマの問いかけに首を振る。
が、
「お前が寂しくなくてもじいちゃんが寂しいんだよ~」
ローマはフランスの手を掴み言った。
そして空いているもう片方の手はスペインの手と
「なんなんじいさん!寂しいんやったらフランスに相手してもらいいや」
「スペインお前っ!じいさんを俺に押し付けるなよ」
「何だよ皆してそんなにじいちゃんと手繋ぐの嫌なのか?!」
「だってじいさんの手湿ってるし」
「暑苦しいしな」
「じいさん臭いし」
「ロマーノ、お前まで!」
臭う臭わない、そんな言い争いを始めた隣にリンネは笑う。
みんな仲良しだね、と
さあ、手を繋いで
(これが仲良しって)
(とヴェネチアーノは苦笑い一つ)