キミと行く。
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約束をして俺は待った。
別れた木の下、ひたすら隠れて待ち続けた。
自分の国民達と会って、連れていかれ、仕事をするようになっても俺は待ち続けた。
晴れの日も
雨の日も
雪も
風も
どんなものにも負けず俺は待ち続ける。
「流石にさ、諦めたら?」
さくさくと自前のビスケットを食いながらフランスは言う。
何でお前がここにいるんだよ。
「ん?暇だからちょっかい出しに」
「てめぇ、ドーバー海峡に沈めるぞごらぁ
ていうか勝手に人の考えを読むんじゃねぇよ」
「だって、お前、スッゴく顔に出てたし」
そう言ってまたフランスはビスケットを口へ運ぶ。
さくさくと軽い音に思わず美味そうだなんて思ってしまうのはきっと気のせいだ。
「あいつの作ったもんなんて別にいらないんだからな」
「ちょっと坊っちゃん、考えてる事だだ漏れ」
「うるせぇ!俺は昼もまだだから腹が減ってるんだよ」
イギリスの文句に「あら、そうなの」と言うと、フランスは彼の手にビスケットの包みを置く。
「俺はお前の作ったもんなんて「もっとさ。早く言ってくれれば良かったのに
さっき俺が食べたのが最後の一枚。ゴミ、邪魔だから捨てといて」
イギリスは青筋を浮かべ、手にあるビスケットの包みをぐしゃりと握り潰した。
「お前、本当にマジで出てけよ」
怒りだしたイギリスにフランスはそう恐がる様子もなく「イギリスが怒ったー」と走り出す。
追いかけて殴ろうかと思ったイギリスだがフランスの逃げ足の速さに止めた。
先程と同じ場所に戻り、根元にぽっかりと穴が開いた木の元に腰を下ろす。
あの時入った根元の穴には入れない程体は成長した。
それでも待っている。
彼女がこの場所を見つけられる様にと辺りの土地や森は弄っていない。
イギリスは持っていた本を開いた。
あの時、彼女が持っていた本。
別れた後、探して崖の下で見つけた彼女の持ち物。
会えた時に返そうと持っていた。
始めは本の字が読めなかったが、成長して字も読める様になった。
こうして木の下で待つ間に読んでいて、何時の間にか本はボロボロに
糸が千切れ、紙は黄ばんだ。
表紙の革は捲れかけている。
「好きだねその本」
戻ってきたフランスがイギリスの持つ本の中を覗く。
「もう何回読んだのさ?」
フランスが初めてイギリスと会った時には持っていた本。
あまりにも大事にしているものだからちょっと取り上げたらおもいっきり殴られ、鼻血を出したのは記憶に新しい。
「分からねぇよ」
分からない
待ち続けて
待ち続けて
ひたすら木の下で本を捲り待つ日々
「お前には悪いけどさ、諦めたら?たぶん死んでるよ。お前の待ち人は」
言うだけ言って、フランスはイギリスの攻撃から身を守る為身構えた。
しかし、いくら待っても攻撃をしては来ない。
どうした?と不意打ちにも気をつけつつそろりとイギリスの様子を見る。
イギリスはぽたぽたと涙を溢していた。
黄ばんだ紙に溢れた涙が落ちて染みが出来ていく。
「お、おい。イギリス」
見たこともないイギリスの姿にフランスは驚き、慌てふためく。
「・・・れよ」
「え?」
「帰れよ!この女男!!」
泣きわめく様に当り散らし、暴言を吐く。
いつもならすぐに言い返すフランスもこの時は何も言い返さず「分かった」とだけ言って帰って行った。
「なんだよ。あの野郎・・・」
フランスが帰り、一人になった途端寂しくなった。
イギリスは涙を袖で拭い、本へと向き直る。
リンネは死んでない
死んでなんかいない
、と呟いた。
「約束したんだ友達に会わすって・・・」
部下の呼び掛けにイギリスは飛ばしていた意識を戻す。
大丈夫ですか?と尋ねる部下に「ああ、大丈夫だ」と答えた。
「顔色が優れないようですが」
「大丈夫だと言っている!」
心配されていると分かっていながら、しつこい問いにイギリスは思わず声を荒らげてしまう。
慌てて部下に謝った。
「すまない。だが、本当に大丈夫なんだ」
「こちらこそ、しつこく聞いてすみませんでした」
一気に気まずくなった二人とは別の声。
帝国!と後ろから部下が駆けてくる。
「準備が整いました」
「そうか、じゃあ始めてくれ」
イギリスの言葉に部下は開始の合図と思われる笛を吹いた。
その瞬間、目の前の森が炎に包まれる。
勢いある炎がどんどん森を焼いていく。
「良かったのですか?森を焼いて屋敷を作るだなんて
聞いた話じゃあここは帝国が大事にしていた場所だと聞きます」
「もういいんだ。ここで待たなくてももう、すぐに手に入る」
そう言ってイギリスは笑った。
その笑みは自分でも分かる程歪んでいる。
「そう、なんですか?」
「ああ」
歪んだ笑みが恐ろしかったのか怯えた部下の声にも気にせず腕に抱えた本を再度、キツく抱えた。
夢のあと
(後・跡・痕)
別れた木の下、ひたすら隠れて待ち続けた。
自分の国民達と会って、連れていかれ、仕事をするようになっても俺は待ち続けた。
晴れの日も
雨の日も
雪も
風も
どんなものにも負けず俺は待ち続ける。
「流石にさ、諦めたら?」
さくさくと自前のビスケットを食いながらフランスは言う。
何でお前がここにいるんだよ。
「ん?暇だからちょっかい出しに」
「てめぇ、ドーバー海峡に沈めるぞごらぁ
ていうか勝手に人の考えを読むんじゃねぇよ」
「だって、お前、スッゴく顔に出てたし」
そう言ってまたフランスはビスケットを口へ運ぶ。
さくさくと軽い音に思わず美味そうだなんて思ってしまうのはきっと気のせいだ。
「あいつの作ったもんなんて別にいらないんだからな」
「ちょっと坊っちゃん、考えてる事だだ漏れ」
「うるせぇ!俺は昼もまだだから腹が減ってるんだよ」
イギリスの文句に「あら、そうなの」と言うと、フランスは彼の手にビスケットの包みを置く。
「俺はお前の作ったもんなんて「もっとさ。早く言ってくれれば良かったのに
さっき俺が食べたのが最後の一枚。ゴミ、邪魔だから捨てといて」
イギリスは青筋を浮かべ、手にあるビスケットの包みをぐしゃりと握り潰した。
「お前、本当にマジで出てけよ」
怒りだしたイギリスにフランスはそう恐がる様子もなく「イギリスが怒ったー」と走り出す。
追いかけて殴ろうかと思ったイギリスだがフランスの逃げ足の速さに止めた。
先程と同じ場所に戻り、根元にぽっかりと穴が開いた木の元に腰を下ろす。
あの時入った根元の穴には入れない程体は成長した。
それでも待っている。
彼女がこの場所を見つけられる様にと辺りの土地や森は弄っていない。
イギリスは持っていた本を開いた。
あの時、彼女が持っていた本。
別れた後、探して崖の下で見つけた彼女の持ち物。
会えた時に返そうと持っていた。
始めは本の字が読めなかったが、成長して字も読める様になった。
こうして木の下で待つ間に読んでいて、何時の間にか本はボロボロに
糸が千切れ、紙は黄ばんだ。
表紙の革は捲れかけている。
「好きだねその本」
戻ってきたフランスがイギリスの持つ本の中を覗く。
「もう何回読んだのさ?」
フランスが初めてイギリスと会った時には持っていた本。
あまりにも大事にしているものだからちょっと取り上げたらおもいっきり殴られ、鼻血を出したのは記憶に新しい。
「分からねぇよ」
分からない
待ち続けて
待ち続けて
ひたすら木の下で本を捲り待つ日々
「お前には悪いけどさ、諦めたら?たぶん死んでるよ。お前の待ち人は」
言うだけ言って、フランスはイギリスの攻撃から身を守る為身構えた。
しかし、いくら待っても攻撃をしては来ない。
どうした?と不意打ちにも気をつけつつそろりとイギリスの様子を見る。
イギリスはぽたぽたと涙を溢していた。
黄ばんだ紙に溢れた涙が落ちて染みが出来ていく。
「お、おい。イギリス」
見たこともないイギリスの姿にフランスは驚き、慌てふためく。
「・・・れよ」
「え?」
「帰れよ!この女男!!」
泣きわめく様に当り散らし、暴言を吐く。
いつもならすぐに言い返すフランスもこの時は何も言い返さず「分かった」とだけ言って帰って行った。
「なんだよ。あの野郎・・・」
フランスが帰り、一人になった途端寂しくなった。
イギリスは涙を袖で拭い、本へと向き直る。
リンネは死んでない
死んでなんかいない
、と呟いた。
「約束したんだ友達に会わすって・・・」
部下の呼び掛けにイギリスは飛ばしていた意識を戻す。
大丈夫ですか?と尋ねる部下に「ああ、大丈夫だ」と答えた。
「顔色が優れないようですが」
「大丈夫だと言っている!」
心配されていると分かっていながら、しつこい問いにイギリスは思わず声を荒らげてしまう。
慌てて部下に謝った。
「すまない。だが、本当に大丈夫なんだ」
「こちらこそ、しつこく聞いてすみませんでした」
一気に気まずくなった二人とは別の声。
帝国!と後ろから部下が駆けてくる。
「準備が整いました」
「そうか、じゃあ始めてくれ」
イギリスの言葉に部下は開始の合図と思われる笛を吹いた。
その瞬間、目の前の森が炎に包まれる。
勢いある炎がどんどん森を焼いていく。
「良かったのですか?森を焼いて屋敷を作るだなんて
聞いた話じゃあここは帝国が大事にしていた場所だと聞きます」
「もういいんだ。ここで待たなくてももう、すぐに手に入る」
そう言ってイギリスは笑った。
その笑みは自分でも分かる程歪んでいる。
「そう、なんですか?」
「ああ」
歪んだ笑みが恐ろしかったのか怯えた部下の声にも気にせず腕に抱えた本を再度、キツく抱えた。
夢のあと
(後・跡・痕)