キミと行く。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おい、スペインどっちが先にじいさんの部屋に入る?」
「そんなん決まっとるやん、同時や」
「よし、それじゃあ行くぞ1、2、」
「「3!!」」
バンッと二人は壊す勢いで扉を開けた。
部屋の中は高価な紙で溢れている。
そんな紙だらけの部屋、沈みかけた太陽を背にローマは椅子に腰かけていた。
「うわ、じいさん。何なんこの部屋。きったないわー」
「スペイン、言うこと違う」
フランスがツッコめば、そうやったそうやったと先程の厳しい表情になる。
「その顔だとあの部屋見たなーじいちゃんあれだけ見るなって言ったのに」
ローマはため息をつくと手に持っていた紙を置き、机に足をのせる。
「・・・じいさんがリンネお姉さんをあんな状態にしたのか」
「俺がか?」
尋ね返されたので、二人が頷けばローマは手で目を隠し大笑いをする。
そして、笑いが収まるとじっと二人を見つめた。
目には輝きなどなく沈んでいる。
「もし、そうだとしたら俺のこの手はとっくに無くなってるさ」
「じゃあリンネ姉ちゃんをあんな状態にしたんはじいさんじゃないんやな?」
「ああ、もっと言うとあの怪我は誰かに傷つけられてなったもんじゃないな」
ローマの言葉に「「はぁ?」」と二人の声が重なる。
「気づいたらだ。まるで見えない奴に傷つけられていくみたいに傷や怪我が増えていく」
「そんな事」
「あるんだよ。そんな事が」
「何とかする事はできないの?」
フランスが尋ねるとローマはあーうーと唸り頭を掻きむしる。
「出来ればいいんだけどなぁ・・・せめて原因が分かればなぁ」
「そっか原因」
「一応、燿の奴とはやり取りしてるんだけどなぁ」
じいちゃん、字はなぁ・・・と呟く。
フランスは聞きなれない発音の名前に「燿って誰?」と訊ねると、何故か隣にいたスペインから答えが返ってきた。
「燿はリンネ姉ちゃんがここ来る前におった所の家主やで」
「あー家主かぁ・・・まあ、確かに家主だな」
因みに燿は東の方にいて俺達と"同じ"なとローマに言われへぇとフランスは返事をする。
「ていうか、何でその燿って奴の事をスペインが知ってんだよ」
「ん?リンネ姉ちゃんから聞いて泣いたねん」
「はぁ?」
スペインの泣いた発言に頭を傾げるフランス。
いつの間にか立ち上がっていたローマはフランスとスペインの頭に手を置く。
「お前らがリンネの事を知ってるって事はちび達も知ってるんだろ?」
「ああ、だって先に気づいたのもイタリア達だしな」
フランスの言葉にスペインが頷く。
ローマは珍しく困った顔をして、二人にお願いした。
「きっとあいつらもだいぶ不安になってると思うから出来るだけ一緒にいてやってくれ」
と、
「リンネお姉さん起きないね」
「起きないな。どうしたら起きるんだ?」
「俺はお腹に兄ちゃんの脚が乗っかった時とか痛くて苦しくて起きるけどなー」
「体が痛くて起きるならとっくに起きてるだろ」
この傷ならと、ロマーノは上を見上げ、ほとんどが布で隠れたリンネの顔を眺める。
「せめて起きてくれればな」
「じゃあ、起こすか?」
え、とロマーノを見ればとても真剣な顔をしている。
「何か俺、こいつがこのまま寝てたら駄目な気がするんだ」
怒られるのが恐いなら無理に付き合わなくてもいいぜと言うとヴェネチアーノは首を横に振った。
「僕もやる。僕もリンネお姉さんを今起こさないとお姉さんがどこか遠くに行っちゃう気がするんだ!」
「じゃあ、一緒にやるか?」
「うん!」
大人が思うより意外に逞しく
(で、どうしたら起きるんだ?)
(さぁ~?)